指導変革の軌跡 京都府・私立福知山淑徳高校「総合学科」
VIEW21[高校版] 新しい総合学科のパートナー
  PAGE 12/12 前ページ  

進路決定後の決意表明で気持ちを引き締めさせる

 普段の面談でも、多名賀先生は徹底的に生徒と向き合う。年間で個人面談は600回、企業・大学との連絡は1200回を超える。受験や就職活動がピークとなる2学期には、担任とも連携して、毎日夜遅くまで面接の練習を行う。
 多名賀先生が進路部長に就任した04年度から、毎年進学・就職率はほぼ100%を記録。かつて全体の4割だった進学者は、今では6割まで上昇した。
 「『貧しい土に花は咲かない』という例え通り、これだけの結果が出せたのも、1、2年次での指導があったからこそ。その点、担任は大変だと思います。進路実績はあくまで結果です。大切なのは、生徒が自分自身の目標をしっかり見据え、それを実現させたこと。教師が一丸となって生徒の自立・自律を応援しようという思いが、生徒に勇気を与えているのだと思います」(多名賀先生)
 多くの生徒が進学・就職を決めた11月、多名賀先生はすべての生徒に決意表明を書かせる。進路が決まったときこそ、将来に向けて気持ちを引き締めることが大切だからだ。
 「会社の期待に応えられるよう、残り少ない高校生活を充実させたい」「毎日支えてくれた両親への恩返しをするためにも頑張っていきたい」
 生徒のレポートにはこうした決意表明が数多く見られるという。「感恩先苦」の精神を心にしっかり受け止めた生徒は、困難を乗り越えて自らの人生を切り開いていくに違いない。


  PAGE 12/12 前ページ