先ごろ、新学習指導要領の概要が固まりました(2007年12月現在)。小学校・中学校の学習指導要領は、2007年度中に告示が予定されています。高校の学習指導要領の告示は、それ以降となるでしょう。
現行の学習指導要領の「生きる力」は継承されますが、新しい意味を加えて再構成されています。それを象徴的に表すキーワードは「知識基盤社会」です。「課題を見いだし解決する力」「生涯に渡って学習する力」などが必要とされる「知識基盤社会」を担うための力として、「生きる力」が改めて強調されています。OECDが定義する「キー・コンピテンシー(主要能力)」に符合するものとして「生きる力」を位置づけた点も、今日的な課題に対応していこうとしている姿勢が表れています。
この「生きる力」を明確にするため、今回の改訂では教育基本法や学校教育法の改正の下で教育目標、義務教育の目標が定められました。この中で、学力の重要な3要素を次のように規定しています。
(1)基礎的・基本的な知識・技能の習得
(2)知識・技能を活用し課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力
(3)学習意欲
これまで、このような具体的な文言を法律に明記することはありませんでした。通常、法律では、学校の定義や校内の職制などの基本的な仕組みを定義します。学力の内容を定めたことは、これらの学力に普遍的な意味を持たせたことになります。
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