1年生の3学期は高校入試や卒業式などの行事が多く、教師の意識が生徒から離れることが多い時期である。そして、生徒は学校生活に慣れる一方で、当面の目標や課題を明確に持てないため、気分的に緩んでしまうことが少なくない。「中だるみの時期」といわれる高2だが、その兆候が表れるのは、実はこの時期なのではないだろうか。 しかし実際には、生徒は文理選択を終えたばかりで、進路観も徐々に醸成され、大学や学部・学科について考える素地もできつつある状況だ。多くの高校で高2の進路学習が本格化するのは、5、6月以降のようだが、高20学期であるこの時期は、将来のことを真剣に考えさせるのにふさわしいタイミングであるはずだ。教師には、そのための具体的なきっかけを与えることが求められ、生徒の意識、目線を上げることができれば、高2の1年を高いレベルから走り出すことができるだろう。