未来をつくる大学の研究室 神経発生学

櫻井勝康

櫻井勝康さん

さくらい・かつやす
東北大大学院、医学系研究科形態形成解析分野、博士課程4年

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学院生が語る

医学への貢献を目標に細胞と格闘する毎日

なぜこの研究を?
星の形にひかれてアストロサイトを研究

 脳の中の細胞には、大きく分けてニューロンとグリア細胞(※8)があります。グリア細胞には三つの種類があり、その一つである「アストロサイト」の発生のメカニズムを解明することが、私の研究テーマです。
 アストロサイトに興味を持った理由は、とても単純です。日本語で星状膠細胞と訳されるように、アストロサイトは星型の複雑な形状をしており、初めて目にした瞬間、「こんなにきれいな細胞があるのか」と驚きました。
 モノの形には何らかの意味があるものです。「アストロサイトはどうしてこのような形をしているのか」――私はそんな疑問を抱きました。更に、ニューロンの研究がかなり進んでいるのに対し、アストロサイトの発生やその機能のメカニズムはほとんどわかっていませんでした。私はほかの研究者があまり研究していないテーマに取り組みたいという思いがあったので、アストロサイトが形成される過程やその働きを、自分の手で解き明かしてみようと思ったのです。

図
用語解説
※8 グリア細胞 神経系を構成するニューロン以外の細胞の総称。ニューロンの働きを助ける役割を持つ。

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