08年度の平均点は51.01点であり、前年度に近い結果となった。第1問は前年度よりも大幅に難化したが、選択問題の第3問、第4問が易しくなっている。
学力層別に見ると、数学Ⅰ・Aとは対照的に、A層とB層で差がついている設問が多い。特に、第3問、第4問がこれにあたる。
例えば、第3問の「セソ」を見てみると、A層の正解率は83・8%、B層の正解率は16.3%と大きく差がついている。この問題は、{bn}、{cn}、{dn}の3つの数列を考える必要があり、文字も多く絡んでくるため、解法の見通しが立てにくい。「ス」の関係式や「セソ」の式の第2項以降に着目し、「dnを求めればdn=cnーbnよりcnがわかる」と気づくことが一つのポイントになる。
この問題では、多くの条件を整理する力、問題の流れや解答欄の形から何をすれば答えが導き出せるのかという見通しを立てる力が求められる。また、その前提として、文字に対する抵抗感を払拭しておくことも必要だろう。
|