指導変革の軌跡 神奈川県立菅(すげ)高校「組織的な生徒指導による学校改革」
VIEW21[高校版] 新しい進路意識向上のパートナー
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広報に力を入れ
地域から愛される学校を築きたい

進路指導担当 杉山崇裕


◎私は2007年4月に本校に赴任しました。ほぼ全員の生徒がチャイムの鳴る前に着席している光景にまず驚きました。「ずいぶん指導が行き届いているな」と感心していたら、数年前まで問題行動が頻発していたと聞き、更に驚きました。その裏には、チャイムと同時に授業を開始するための準備を徹底するなど、教師自身の努力や心がけがあります。教師が変われば生徒も変わることをつくづく実感させられました。
 07年度には、「学習の手引き」の改訂作業を任されました。工夫したのは、学習に興味を持ってもらうために、生徒により親しみやすい冊子にしたことです。挿絵を入れて読みやすくし、「高校生活で良いスタートを切るには」「ゴールをどのように定めるか」など、生徒の視点を取り入れた内容を充実させて、より一層、自主性を引き出すことを目指しました。
 生徒指導はもちろん重要ですが、本来、教師が最優先すべきは授業だと思います。授業で生徒を満足させられなければプロを名乗ることは許されない、というのが私の考えです。私自身はまだ知識も指導技術も未熟で、工夫が必要なことも少なくありません。常に自分自身の成長を心がけたいと思います。
 地域住民から「こんな学校は要らない」とまで言われたころに比べると、今は天と地ほどの差があります。しかし、信頼が崩れるときは一瞬ですから気は抜けません。悪い噂に比べ、良い噂は伝わりにくいものですから、今後は広報活動にも力を入れて、地域に愛され、気軽に立ち寄ってもらえる学校を目指したいと思います。


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