未来をつくる大学の研究室 社会心理学
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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研究のテーマ
行動の違いが生まれる要因は何か

 私は、人間の意識的な選択を必要としない行動について研究しています。先日行った実験を紹介しましょう。
 日本人にあるテストを行い、終了後、自分の結果は平均点より上か下かを質問しました。すると、69%の人が平均より下だと答えました。ところが、その予想が当たっていたらお金を差し上げますというボーナス条件をつけたところ、逆に69%の人が自分の結果は平均点より上になると答えたのです。この結果から、日本人は自分が平均より上だと思っていても、自己提示の戦略として自己卑下的な行動を取る傾向にあることがわかりました。同様の実験をアメリカ人に対して行ったところ、女性の場合は日本人と同じように、ボーナス条件がなければ自己卑下的な行動をするという結果が出ました。ところが、男性の場合、お金に左右されませんでした。
 この実験では、人間の意識的な選択を必要としない行動について、条件を変えることによって解明しようとしています。更に、なぜ条件によって行動の違いが生じるのか、文化に起因するのか、性差なのか、今後、研究を重ねていきたいと思います。
 今は、人間と社会との関係を知りたい一心で、研究に没頭している日々です。ただ、最初に教師を志したように、将来は教育に関する社会制度をつくる仕事にかかわりたいと考えています。

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高校生へのメッセージ
背伸びをしてでもやりたいことに挑戦を
 興味のあることには何にでもチャレンジしてください。たとえ失敗しても、しないで後悔するよりましです。「自分の能力はこんなもの」と決めつけたりせず、背伸びをしてでも挑戦をしてください。
 また、新聞を読む習慣はとても大切です。インターネットでニュースをチェックするだけでは、ニュースの背景などまでつかむのは難しいからです。私は今でこそ毎日読んでいますが、高校時代は全く読んでいませんでした。だからこそ、皆さんにお勧めします。

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