A・Bメンバーに選ばれなかった生徒への支援も欠かさなかった。
07年度の3年生は国立大を目指す理系・文系が各2、私大文系1の計5学級。上原校長は週1回、私大文系クラスで講話を続け、意識の向上を図った。また、就職希望者には、すべての教師が親身になって面接の受け方などを熱心に指導した。
竿代(さおしろ)愛也先生は「A・Bメンバーには個別指導をしているため、授業ではむしろメンバー以外の生徒に目を向けました」と話す。齊藤奨先生も「『受験は団体戦』というフレーズを浸透させながら、メンバー以外の生徒も引っ張れるような形にしようと意識しました。メンバー選出が全体の活性化につながったと思います」と続ける。
「『できる人はできる、私には無理』と決めてしまう生徒が、本校には多いかもしれません。そこで、Aメンバーの生徒に意識的に授業で質問させたり、問題提起をさせたりしたこともあります。良い意味で生徒をかき回すことを意図しました」(寒河江先生)
「学校は中小企業・率先垂範」を掲げる上原校長も物理担当教師と共に、物理を苦手にしている成績中・下位層の学力底上げに立ち上がった。休日の特別課外活動を3年生を対象に21日間、計71時間にも渡って開いたのだ。もちろん、3学年全体での進路ガイダンスは何度も開いた。
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