VIEW'S REPORT 生徒指導
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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就職希望者にも全国平均を意識させる

 同校の生徒や保護者は、都市部と比べて競争意識が低い。教師の間にも、競争や順位づけへの抵抗感が根強かった。だが、田中教頭は職員朝会でこう訴えた。
 「150名が国公立大志望ならば、150名が合格できるように力をつけること。これが私たちの仕事なのではありませんか」
 組織的に改革を推進できたのは、客観的な数値データがあったからだ。例年、2年生の7月以降、模試の平均偏差値が急下降していた(図1)。これを食い止め、全国のレベルを意識して偏差値50を超えるという目標を掲げた。

図1
卒業年度別に、入学時からの模試の偏差値の推移を比較したグラフ。2008年3月に卒業した生徒(07年度卒業生)は、2年次の中だるみもなく、模試も好成績を維持していた

 「大学受験を目的とする前に、全国の高校生の標準を知ることが模試の第1の目的です。就職希望の生徒も、全国平均値を超えれば就職先が広がります。高校生として当たり前のことを、当たり前にできるようになること。それが全国平均の意味だと何度も生徒と保護者に訴えました」(田中教頭)
 それまでは1、2年生で終わっていた模試の全員受験を、就職希望者も含めて3年生の秋まで続けるようにした。
 「クラブにはレギュラーもいれば、補欠もいます。それぞれの力に合わせて頑張ることがすばらしい。校内マラソン大会では順位がついて当然です。トップを走る生徒が速いペースで走らないと、全体のタイムは上がりません。これは勉強もスポーツも同じこと。引っ張っていくトップリーダーやまじめな雰囲気をつくる学習リーダーが必要です」(田中教頭)


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