特集 「自立する高校生」をどう育てるのか

群馬県立前橋高校

◎2008年に創立131周年を迎える伝統校。「質実剛健」「気宇雄大」を校訓として、文武両道を目指す。県下トップクラスの進学校でありながら、県の高校総体での総合成績は07年2位、08年3位と高い実績を収めている。

設立●高校:1877(明治10)年

形態●全日制/普通科/男子

生徒数(1学年)●320名

08年度進路実績●国公立大には、北海道大11名、東北大39名、東京大13名、 一橋大4名、京都大4名、大阪大5名などに230名が合格。私立大には慶應義塾大35名、明治大71名、早稲田大53名などに延べ752名が合格。

住所●〒371-0011 群馬県前橋市下沖町321-1

TEL●027-232-1155

WEB PAGE●http://www.
maebashi-hs.gsn.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例1】:群馬県立前橋高校

主体的に学ぶ力を
身に付けさせるために手をかける

前橋高校が、生徒の自主性に任せる指導から手をかける指導へと 転換したのは15年程前。
旧制中学の流れを汲む伝統校として、自信と挫折をバネに進む生徒をどのように支えているのか。

教師一丸となって生徒を支える体制へ転換

 群馬県立前橋高校は、例年3桁近い旧帝大合格者が輩出する県下屈指の進学校である。旧制中学校の流れを汲む伝統校として、長きに渡り生徒の自主性を重んじる指導を身上としてきた。
 勉強は自分でするもの、教師が手取り足取り教えるのは邪道である――。そうした指導方針の象徴ともいえるのが、同校独自の「カット」と呼ばれる制度だった。教師が出張などで学校を不在とするときは、その授業は休講になり、生徒は早く帰宅していたという。
 指導方針を転換したのは、15年ほど前だ。他校との進学実績を比較する中で、生徒の力を伸ばしきれていないのではないかという声が学校の内外で聞かれるようになったことが、その背景にある。確かに、当時の現役の大学合格率は30%台。難関の志望校には浪人して入ればよいという考えが強かった。
 野村直正校長は、現在の指導方針に変わった理由を次のように話す。
 「生徒がやるべきことをする。これは、今も昔も変わらない本校の基本的なスタンスです。自学自習を基本として、足りないところを生徒自身が見つけ出し克服していくことは大切です。ただ、すべてを生徒に任せたのでは、学校全体の底上げにはつながりにくいという実情もありました。共通の指導方針の下、手をかけるべきところは手をかけ、教師が一丸となって生徒を支えていく体制を構築する必要があるという声が日増しに強くなっていったのです」


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