特集 「自立する高校生」をどう育てるのか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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自分の言葉で語り始める、それが自立した瞬間

 生徒が自立した瞬間を見逃さず、適切にフォローすることも大切だ。
 2学年担任の清水豊先生は、「生徒の自立を感じるのは、生徒が自分自身の言葉で語り始めたときです。私は地歴担当ですが、世界史の授業で生徒が『この時代のチベットは独立国家だったんですね』など、現代社会の諸問題と関連付けて考え始めたときは嬉しくなります。こうしたことの積み重ねによって、面接の場でもはっきりと将来の希望を述べられるようになっていくのです」と指摘する。
 丸山先生は、「生徒が自分自身の生活を振り返り、生活スタイルを変えようと意識し始めたとき、自立に向けて一歩を踏み出していると思います。成績がなかなか上がらなかった生徒が朝早く学校に来て勉強を始めたり、予習をしても授業に追いつかない生徒が居残り学習をしたりする。目標に向けて何をすべきかが見えてきた生徒は、もう立派な大人になっていると言ってもよいのではないでしょうか」と話す。
 生徒の変化を捉えたときの教師の対応はさまざまだ。
 「人前で褒められることを喜ぶ生徒、かえって恥ずかしがる生徒など、気質はさまざまです。褒められれば自信を深める生徒には『君、変わったな』などと声をかけますが、黙って見守る方が成長すると思ったときは静観しています」(高橋先生)

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