こうした実情は、二つの課題として整理できる。教師の多忙感と、取り組みの継承の難しさだ。フロンティア事業を終えた今、同校の教師はこの難題に果敢に挑戦している。
近年、教師の多忙感は募るばかりだ。新しい取り組みをしたくても、時間的・精神的な余裕がなく着手できない場合も多い。解決の一策として、同校では職員会議をはじめとして多くの会議の時間を短縮させた。具体的には、会議前に担当者が集まり、内容に応じて3分、5分と持ち時間を決める。担当者は資料の配付で済むこと、説明が必要なことを明確にし、時間内に伝達事項を伝えられるよう段取りをしておく。
「要件は簡潔に伝えることが大切。それは、授業でも同じです。話せば話すほど、授業はわかりづらくなる。日常の会議において、わかりやすく話す訓練を意識的に続けることで、時間の使い方がうまくなり、授業改善にもつながります」と、小邑校長はねらいを話す。
こうした取り組みの結果、職員会議の雰囲気は大きく変わった。例えば、「重要な点は○○と○○。前者は解決済みなので資料を入れています。後者は議論が必要なので、担当者は後日集まって話し合いましょう」というように、教師の発言は的確かつ簡潔になり、1~2時間かかっていた会議が30分程度に短縮されたという。
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