教える現場 育てる言葉
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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視覚障害者が自立するプロセスに関われる喜び

 5年間の見習と研修を経て、協会の理事が「合格」の承認を出すと初めて歩行指導員になることができるが、仕事のハードさに、途中で辞める見習生もいる。だが、それでも指導員になりたくて頑張る若者がいる。定期的に募集するわけではないが、応募者も募集人員の5~6倍は来る。「そこに他にない魅力があるからではないですか」と塩屋理事長はいう。
 「歩行指導で常に行動を共にしていると、視覚障害者に精神的な変化が生じてくるときがあります。『アイメイト』によって主体的に生きていける喜びから、人生観や生き方が変わってくるのです。指導員はそのプロセスに関わっている。若い人にとっても、それは嬉しいと思います」
 あるとき、ようやく「アイメイト」の訓練に携われるようになった見習生が、やはり機関誌にこう感想を書いた。「使用者が『アイメイト』と共に旅立っていく姿を見ると、この仕事は犬の訓練ではなく、使用者一人ひとりの人生を豊かにすることだと感じる」
 この見習生も「犬が好き」というのが、この道を選んだもともとの動機である。それが見習生になって1年余り、自分の使命の重さを自覚するようになった。歩行指導員という仕事は、視覚障害者の人生に深く関わることで、指導員自身が社会と向き合っているのである。
写真
見習生にアイメイトの訓練を指導する中野さん

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