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VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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「自ら体験し、考え、学ぶ」が成長の鍵

 見習期間の3年間は、毎年の大よそのカリキュラムが決まっており、犬の飼育、管理、衛生、生態から始まり、犬の心理や繁殖、血統、遺伝、あるいは獣医学の初歩的な知識を学んでいく。
 こうした犬に関する知識の習得と並行して、点字や社会福祉、盲人の心理、目の構造・疾病などに関する基礎も勉強する必要がある。とはいえ、教室で教えてもらうのではなく、あくまでも実践主義で、「自ら体験し、考え、学ぶ」が基本だ。見習生になって2か月もすると、犬を訓練する仕事も始まる。最初は親切に教えてもらっても、後は自分で考えてやることになる。
 見習生の1日の仕事を見ると、朝8時に全体のミーティングがあり、続いて全員で犬舎の清掃、犬の排便、ブラッシング、飼料づくりなどの雑用をこなす。犬舎には70頭ほどの犬がおり、この作業を手際よく進めなければならない。
 2年目に入ると、自分が担当する犬の訓練に取り組む。特に前方に障害物がある場合や、頭上に何か飛び出しているものがあるときなど、視覚障害者がぶつからないよう回避して通る訓練をする必要がある。経験が浅いと試行錯誤を繰り返す。
 見習生が視覚障害者の歩行指導に少しずつ関わるようになるのは、3年目に入ったころからである。前出の見習生のように、先輩指導員が歩行指導をしているのを観察することから入り、徐々に指導役を譲られていく。研修生になると、自分で歩行指導を担当するなど視覚障害者との関わりは深くなる。
 歩行指導員に求められる資質について、塩屋理事長はこう話す。「相手の気持ちを理解し、その立場に立てるかどうかです。その人の気持ちになるということは、決して同情することではありません。人間としての幅が非常に重要になります」
 見習生・研修生には、人前で「話す場」を設けて、自分の考えを発表させることもある。指導員にとって、自分の考えを目の見えない相手に正確に伝えることが不可欠なこともあるが、話すことでその人の人柄が分かるからである。

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