指導変革の軌跡 沖縄県立那覇国際高校「進路検討会の導入と改善」
沖縄県立那覇国際高校

沖縄県立那覇国際高校

◎「自主」「敬愛」「飛躍」の校訓の下、国際化・情報化社会で活躍する人材の育成を目指す。ALTや国際会議室を活用した語学教育の充実、中国語・スペイン語等の第2外国語の選択履修、海外研修、ボストン(アメリカ)への短期留学など国際交流活動も活発だ。

設立●1998(平成10)

形態●全日制/普通科・国際科/共学

生徒数(1学年)●約360名

08年度進路実績●国公立大は、筑波大、千葉大、東京学芸大、横浜国立大、金沢大、大阪大、岡山大、九州大、琉球大、北九州市立大、沖縄県立看護大などに171名が合格。私立大は、立命館大、関西大、関西学院大、福岡大、立命館アジア太平洋大、立教大、早稲田大などに延べ165名が合格。

住所●〒900-0005 沖縄県那覇市天久1-29-1

TEL●098-860-5931

WEB PAGE●http://www.
nahakokusai-h.open.ed.jp/index01.html



VIEW21[高校版] 新しい進路検討会の導入と改善のパートナー
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指導変革の軌跡109


沖縄県立那覇国際高校「進路検討会の導入と改善」

進路検討会が進路部と学年団の
密な連携を生み出し生徒の躍進を支える

● 実践のポイント
年3回の進路検討会で情報を共有し、生徒に多面的に働きかける
進路ガイダンス部と学年団との連携を密にし、進路情報の共有を徹底させる
学年集会や進路便り、教師の声かけで、生徒に進路情報を頻繁に提供

進路検討会で情報を共有し生徒への声かけに生かす

 2007年3月、沖縄県立那覇国際高校の3学年団職員室は安堵(あんど)に包まれた。過去最高である前年の実績には及ばなかったものの、国公立大現役合格者は144人。この年の3年生は、前年に比べて模試の平均偏差値が2ポイントほど下回っていただけに、喜びもひとしおだった。
 当時、3学年主任だった西原誠先生は、「ここで実績が落ち込んだら勢いがそがれ、学校全体が停滞しかねないという危機感がありました。学年団と進路ガイダンス部が連携を密にして情報を共有し、生徒にとって最善の進路先はどこか、そのために何をすべきかを緻密に考えたことが、実を結んだのだと思います」と振り返る。
 この実績を支えたのは、07年1月に同校では初めて実施した進路検討会だ。進路ガイダンス部と学年団が一堂に会し、センター試験の結果を踏まえ、生徒の志望や実力にふさわしい進路先を絞り込んだ。学年団全員で生徒の情報を共有し、自信をなくしかけている生徒には、担任だけでなく進路や教科担当の教師も声をかけ励ました。複数の教師からアドバイスや励ましを受けて自信を深めた生徒も多かった。
 現3学年主任の辻上(つじがみ)弘子先生は、進路検討会は教師にも好影響を及ぼしたと話す。
 「模試の成績が芳しくない学年だったので、担任個々の頑張りだけでは実績は出せないという危機感がありました。検討会を通してベテランのノウハウや教科担当からの専門的なアドバイスを得られたのは大きかったです。一人で抱え込まずに、皆で生徒を見ていこうという気持ちが、前向きな指導を実現させたと思います」


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