それまで同校の進路指導は、教師個々の指導力に負うところが大きかった。進路ガイダンス部主任の伊志嶺嘉典(いしみねよしのり)先生は、「例えば、学部・学科について、ある分野には詳しいけれども、別の分野は適切な指導ができない場合もありました。学年団全員がアドバイザーになることで指導の充実を図りたいと考えました」と導入の意図を語る。
07年3月の合格実績を受けて、07年度には進路検討会の定着を図った(図1)。
実施は7月、12月、1月の年3回。7月は2年生1、2月の進研模試と5月の校内実力テストの結果、および5月の二者面談で話し合った内容を踏まえ、志望校と実力のマッチングを検討する。検討対象は、高い志望にこだわる生徒、自信がなく志望を下げようとしている生徒だ。12月は9、10月の模試結果を基に志望校の確定、1月はセンター試験の結果を踏まえて最終出願先の絞り込みを行う。かける時間は、7月、12月が1日3クラス各1時間で3日、1月は8時間ほどで全生徒のデータを検討する。
参加する教師の幅も広げた。7月は進路ガイダンス部、3学年の担任・副担任、国・数・英の教科担当が参加。12月は更に理科の教科担当が加わり、1月は管理職も含めて多くの教師が参加する。「06年度の3年生が予想以上の実績を上げたため、進路検討会の有効性が教師の間に浸透しました。教科担当に参加をお願いするときも、皆、賛同してくれました。教科担当は、教科指導の必要な生徒にすぐアドバイスできるよう、指導方法のアドバイザーとして位置付けられています」と、西原先生は振り返る。
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