地方公立高校の挑戦
図阿賀町は新潟駅から車で約70分


新潟県立阿賀黎明
中学校・高校

設立●中学校:2002(平成14)年/高校:1902(明治35)年
形態●併設型中高一貫校/普通科
生徒数●中学1学年約40名/高校1学年約60名
08年度入試進路実績●08年度進路実績 国公立大には新潟大4名、山形大2名、富山大1名の計7名が合格。私立大には明治大、法政大、新潟薬科大、金沢工業大などに延べ18名が合格。
住所●〒959-4402
新潟県東蒲原郡阿賀町津川361-1
電話●0254-92-2650

Web Site●http://www.
agareimei-jh.nein.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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地方公立高校の挑戦

定員割れの危機から地域の進学校へ――

地域唯一の高校として、存続が使命となっている
地方の郡部や山間部の学校では、小規模ながら大学、専門学校、就職と、
志望が異なる生徒を抱えて、どのような教育を行っているのか。
入学定員割れの危機から再起しつつある二つの学校の取り組みを紹介する。

新潟県立阿賀黎明(あがれいめい)中学校・高校

創立100年を超える伝統校の存続を
中高一貫化に賭ける

地域活性化の起爆剤として併設型中高一貫校に

 新潟県立阿賀黎明中学校・高校は、全国でも珍しい中山間地に位置する併設型の中高一貫校として2002年度に誕生した。その1期生が08年春、卒業を迎えた。大学・短大進学者数は、前年度の12人から22人に増え(卒業生数64人)、うち国公立大進学者数は7人に上った(図1)。

図1

 同校が位置する阿賀町は、人口約1万5000人、福島県に隣接する町だ。経済状況の停滞や都市部への人口流出、少子・高齢化が止まらない。同校の母体である旧津川高校は1902年に創立された県内屈指の伝統校で、昭和40年代には生徒が1000人以上いた。それ以降、生徒数は減り続け、2000年度には募集人員が3学級から2学級へと縮小。統廃合の危機が迫っていた。しかし、阿賀町に高校は一つしかない。
 「地元の高校を何とか存続させることはできないだろうか…」という地域からの要望を受け、地域活性化の起爆剤として中高一貫校に生まれ変わった。そして、地元の成績上位層が新潟市内の進学校へ進む流れを変えるために、大学進学指導に力を入れた教育方針を打ち出して船出した。

写真
◎左から
宮入雅史 高校3学年担任・進路指導部
加藤  弘 校長
岡村澄江 高校教頭
田辺智洋 高校進路指導主事(前3学年担任)

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