未来をつくる大学の研究室 幹細胞医学
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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研究の展望
「真理」という宝物を探して

 実験では、遺伝子操作をしたマウスやショウジョウバエを使って、「Musashi」が発現したとき、どのようなことが起きるのか、ほかのたんぱく質とどのように関係しているのかといったことを調べます。
 実験の空き時間には、最新の論文に目を通します。新しい情報を得ることは、発想や創造を引き出すためにも重要です。
 今後、研究が進めば、薬を飲んだだけで「Musashi」が活性化し、神経細胞を生み出せるようになるかもしれません。一方で、「Musashi」はグリオーマと呼ばれる脳腫瘍を増やす原因になるともいわれています。「Musashi」の制御によって、脳腫瘍の増殖を防ぐことも期待できます。
 科学の研究とは、宝探しのようなものです。新しく得た情報や知識を基に、自分で仮説を立てて真実という宝物に近付いていく。わくわくするような期待を抱きながら、今後も研究を深め、さまざまな難病の治療に道筋をつけていきたいと思っています。
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高校生へのメッセージ
「まず行動」が自分探しの第一歩
 したいことがないとき、時間は持て余すほどあります。しかし、いざしたいことが見つかると、時間はいくらあっても足りなくなるものです。  したいことが見つからない人もいるでしょう。しかし、「ない」と決め付けてしまえば、そこから先へは進めません。そういうときは、是非行動してください。大学を見学してもよいですし、何かのシンポジウムに顔を出してみてもよいでしょう。行動することで、きっと興味あるものが見つかるはずです。

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