VIEW'S REPORT
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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POINT1 本物の体験

最先端技術を結集したロボットを動かす

  PaPeRoは、人間とのコミュニケーションを可能にするため、「人間の顔を見分ける(顔認識)」「言葉を理解する(音声認識)」「言葉を発する(音声合成)」という最先端技術を搭載している。これらの技術を生徒が体験し、活用しやすいように「PaPeRoで感情表現をする」「PaPeRoによるお笑い」などの課題を与えた。

POINT2 チーム学習

かわいらしい外見のロボットが生徒の積極性を引き出す

 3人1組でチームを編成し、プロデューサー(まとめ役)、アクター(PaPeRoとのやり取りを実演)、シナリオライター(プログラム作成)という役割を与えた。各自の立場から意見を述べ、PaPeRoに流行語を覚えさせたり、楽しいダンスをさせるなど、活発なチーム学習を展開。谷川先生によると、生徒にとってPaPeRoは、「自分たちの子ども」のような役割を果たしたという。かわいらしい外見のロボットが、普段は情報を与えられることに慣れた生徒を積極的にし、「何とかしたい」という気持ちを引き出した、興味深い事例である。
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POINT3 発表・評価

文化祭を活用して成果を学校外に発表する

 3か月間の授業の集大成として、9月の文化祭で各チームが「PaPeRoによるお笑い」作品を発表。生徒に「初対面の人」とのコミュニケーションを考えさせることがねらいである。クラス内の発表とは異なり、文化祭では保護者や地域住民が多数来訪するため、「だれにでもわかる」作品が求められる。最終的に、生徒たちは「なぞなぞ」「昔話」などを題材にして、多くの人が楽しめるような作品を発表した。また、文化祭の会場では、PaPeRoに興味を持った大人や小さな子どもに対して、ロボットの機能説明や実演をするシーンが見られた。
まとめ
2号連続で、体験型学習を深化させる三つの観点「本物の体験」「チーム学習」「発表・評価」について、CEPの取り組みを基に紹介してきた。単なる企業訪問からだけではわからなかった教育効果が明らかになってきた。一方で、各学校からは「教科内容に興味が持てない生徒が増えた」「科学技術の知識や将来の社会人としての基礎的教養が欠落してきた」などの本質的な課題もうかがってきた。今後は、学校の学びと社会のつながりを示す「文脈学習(コンテクスチュアル・ラーニング)※注」がますます求められるのではないか。また、変化する社会の中で効果的なプログラム開発をするには、企業などとの外部連携を進めていくことがますます重要になるだろう。ベネッセでは、今後もキャリアを考える体験型学習の在り方を研究していく予定である。

※注 アメリカの教育学者デイル・パネルが提唱した学習理論。例えば、教科学習をどう社会とつなげるのかを文脈的に理解させる学習などが挙げられる。

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