編集部 |
今回の改訂では、義務教育段階の学習の確実な定着を図るために、標準単位数を超えて単位を設定したり、学校設定科目等を設けることができたり、「はどめ規定」が撤廃されるなど、学校ごとのカリキュラム編成の自由度が高まりました。 |
臼田 |
各教科・科目の内容や単位数が変更されたことによって、カリキュラムは複雑になりそうです。特に、理科は他教科に及ぼす影響が大きいと考えています。現行課程で3単位科目の「生物Ⅱ」は、新課程では4単位科目の「生物」にほぼ移行されるので、それだけでも現行から変更しなければなりません。また、必履修となる「基礎を付した科目」を三つ履修(計6単位)した上で4単位科目を選択履修すれば、最低でも10単位になります(注)。各大学が入試科目として「基礎を付した科目」を採用するか否かにより、カリキュラムの編成はかなり変わるでしょう。 |
秋元 |
必要最低限の指針だけを示され、上限はなく、自由に組みなさいというのですから、私はこれまで以上に学校の特色が求められるようになると思います。特に新設校や中堅校では、新課程のねらいを生かしつつ、どのように特色を出して生徒募集に結び付けるか、地域との関係を築いていくのかということを、今まで以上に考える必要があるでしょう。 |
及川 |
各校の教育目標や従来から持つ指導ノウハウを踏まえて、新課程の趣旨をカリキュラムにいかに反映させていくかが大切です。不易の部分はしっかり守りながら、時代の要請に合ったカリキュラムを組むことが学校に求められているのではないでしょうか。 |