たくさんの教師で1人の生徒を包み込み
安心して学習させたい
進路指導部 山口久美
◎本校には2001年度に赴任し、進路指導部に配属されました。03年度に県の進学指導重点校の指定を受けてから、各地の高校の進路指導に関する事例を調べ、校務分掌ごとに手分けをして、十数校は視察しました。
一連の改革の中でも効果が大きいと感じるのは、面談の充実です。進路指導部が作成する「目線合わせ情報」を活用すると共に、教科担当や部活顧問の先生方からの情報も面談に生かすようになりました。今では、進路指導には、実力テストのデータだけではなく、友人関係や部活動、家庭の事情といったさまざまな要素を踏まえた指導が必要であることを実感しています。タイムリーな指導が重要と考え、少しでも気になる生徒がいれば、すぐに声をかけるように心がけています。掃除の合間に短時間で済ませることもあれば、放課後にじっくり話し合うこともあります。あまり形式にとらわれずに取り組むことが、生徒と向き合う上では大切だと考えています。
多くの教師が協力して一人ひとりの生徒を支えるようになってから、生徒も安心して学習に取り組んでいる様子です。進路指導室に面した廊下には、資料を目立つように置いて入室を促すなど、教師と生徒との距離を縮める工夫も徐々に効果が出ています。受験後、学校に参考書を寄付する生徒が増えたことには、「『後輩達よ頑張れ!』という激励の気持ちと共に、自分だけではなく、他人を思いやる気持ちを持って次のステップへと進んでいくんだな」と、取り組みの成果以上のものを実感しています。
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