指導変革の軌跡 東京都立小平西高校
進藤周治

▲東京都立小平西高校校長

進藤周治

Shindo Shuji
教職歴36年。同校に赴任して3年目。「『やればできる』という思いを、生徒に伝えていきたい」

人見茂

▲東京都立小平西高校

人見茂

Hitomi Shigeru
教職歴29年。同校に赴任して9年目。進路指導主任。「いくつになっても理想を高く持ち続けたい」

森川雅彦

▲東京都立小平西高校

森川雅彦

Morikawa Masahiko
教職歴26年。同校に赴任して7年目。1学年主任。「いつもクリエイティブであり続けたい」

石井裕己

▲東京都立小平西高校

石井裕己

Ishii Hiroshi
教職歴20年。同校に赴任して4年目。生活指導主任。「モットーは『常に前進あるのみ』」

菱田新

▲東京都立小平西高校

菱田新

Hishida Arata
教職歴13年。同校に赴任して6年目。2学年主任。「生徒には、輝く人生を送るためのベースを高校生活の中で築いてほしい」

VIEW21[高校版] 新しい組織的な生徒指導による学校改革のパートナー
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「私はできる」の観点で校内の取り組みを見直す

 このような過程を経て、06年秋に策定したのが「小西スタイル」だ。厳しい生活指導、部活動の活性化、学力の定着、組織的・計画的な進路指導(キャリアプラン)、奉仕活動の充実など、多面的な教育活動により、生徒に「私はできる」という思いを抱かせるための改革プランだ(図1)。当時、進路指導主任として原案作成にかかわった森川雅彦先生は、「小西スタイル」への思いを次のように語る。
図1
「小西スタイル」では、4つの数値目標を挙げ、それらを達成するために必要な活動を具体的に立案。わかりやすいよう図にして、教師の意識の共有化を図った
 「生活指導で学校に目を向かせることで、学習や部活動にきちんと取り組むようになる。更に、頑張った結果が明らかになれば、自信になり、進路に対しても前向きな意識を持てるようになると考えました。こうした好循環を生み出すために、『私はできる』という一点にしぼって、学校のあらゆる取り組みを見直しました」
 「私はできる」。すなわち、生徒一人ひとりに自己効力感を持たせることが、「小西スタイル」の最大の眼目だ。生徒の気持ちを高めようと、生徒を主語にしたキャッチフレーズをさまざまな機会を捉えて訴えた。授業やテストの際には「私もわかる!」、部活や行事では「私も参加する!」、生活指導では「私も守る!」といった言葉だ。
 テスト時に成績ではなく「伸び率」で表彰する試みも、この考えが根底にあるからこそ生まれた取り組みだ。ベネッセの「基礎力診断テスト」の4月と9月の結果を比較し、伸び率の高い上位10人を壇上に上げて、校長自ら表彰状を授与する。
 「生徒は自分のことをだれかに認めてもらいたいと思っています。しかし、やみくもに褒めるだけでは意味がありません。生活指導で叱るべきときはきちんと叱り、生徒の努力を見逃さず、褒めるべきときには褒める。こうしたメリハリのある指導を根気よく続けることによって、生徒の学校への信頼感は高まっていくのではないでしょうか」と、人見先生は話す。

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