未来をつくる大学の研究室 脳科学
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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将来の展望
ITと脳科学の知識で未来を切り開きたい

 「人間の意識」というものに興味を持ったのは中高生時代でした。なぜ、自分という人間がこの世に存在しているのか、動物との究極の差はどこにあるのだろうか。
 こうした疑問を解決するためには、まず人間がどのようにできているのかを知る必要があると考え、分子生物学を学ぶために農学部に進みました。しかし、学部で4年間学び、人体を構成する分子やDNAなどについては理解したのですが、人間の心や意識のメカニズムまではわからないということに気づきました。そこで、ダイレクトに人間の意識について学べる環境を探し、坂上教授の研究室に入りました。
 修士課程修了後は、IT企業への就職が決まっています。脳科学と直接関係のある仕事ではありませんが、大学院での研究は無駄ではないと思っています。脳科学の研究者の中には、自分たちが取り組んでいる研究が実用化されるのは遠い未来の話だ、と割り切って研究している人が少なくありません。しかし、私は、研究が進み、活用できる道筋が整えば爆発的に普及するのではないかと推測しています。そのときに、強力なパートナーになるのはITであり、脳科学の知識は必ず有力な武器になると確信しています。
 脳科学の知見が役立つ日を夢見ながら、社会人として力を磨いていきたいと思います。
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  高校生へのメッセージ
一生懸命取り組めばまわりが支えてくれる

 高校時代はどのような道に進めばよいのかわからず、目標を持てない日々を送ったこともありました。今思うのは、目標を持って取り組んでいれば、道は開けるということ。もう1つは、一生懸命取り組めば、必ずだれかが支えてくれるということです。現在の研究生活も、学部の学習に飽き足らず、自分から脳科学研究所の門をたたいたことが始まりでした。自分から働きかけていけば、きっとつかむものはある。それを信じて、自ら道を切り開いてください。


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