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環境の変化に苦労する中学校、高校の学校現場 |
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山尾 |
ただ、だからといって私は、中学校の指導の在り方を責めるつもりはありません。実際、中学校の先生方は、精一杯努力されています。特に兵庫県では「トライやる・ウィーク」といって、中学生の職場体験学習を全県的に展開しています。こうした活動の準備にかかる先生方の負荷は相当なものです。高校から一方的に中学校現場に「もっと学びに向かう意欲や主体性を身に付けさせてから、生徒を高校に送り出してほしい」と要求するのは酷な気がします。 |
北澤 |
同感ですね。高校に入学してくる生徒の気質が変化した要因としては、中学校の責任というよりは、社会環境や家庭環境の変化が大きいと思います。
特に苦労しているのは、いわゆる普通の公立中学校の先生方ですよね。ただでさえ主体的に学び、活動する生徒の層が薄くなってきている上に、近年では私立中学校に加えて公立にも中高一貫校が増えたために、本来ならば各中学校でリーダー層になる生徒たちが、私立校や中高一貫校に進学するケースが多くなっています。従来であればリーダー層の生徒たちを核にした学級づくり、学校づくりができたのに、それが困難になっています。
そして、公立中学校に通う生徒層が、今度は公立高校に入学してくるわけです。そう考えると、公立中学校と公立高校は同じ困難さを共有しているといえます。
ですから、中学校と高校がお互いに連携しながら生徒を育てていくという視点が、今まで以上に重要になってきていると思います。双方とも忙しいので、無理のないところから始める必要があります。本校でも今、ある中学校との間で定期的に協議し、連携の可能性を探っているところです。 |
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