特集 中・高・大とつなげる「学び」と「指導」
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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高校同士の 連携を更に活発に

北澤  先日、東京大の合格者数が全国でも有数の、ある公立高校を訪ねました。その高校では教師が教材研究に取り組む時間をしっかり確保していたんです。授業以外の活動にあれもこれもと手をつけずに、「本校は教科指導力で生徒の知的好奇心を伸ばす」ということに特化しているのだと感じました。一方で私は先日、ある会で進路多様校の発表を聞きましたが、その高校では体験学習を通じて、生徒の学びへの意欲を高めることに成功していました。
 限られた人員と時間の中で、すべての活動に対して十分に力を注ごうとしても、どこかで限界に突き当たります。二つの対照的な高校を見て感じたのは、自校の生徒の特徴をつかんだ上で、何に教育活動の重点を置き、どういう形で学びへの主体性を高めていくのかを見定めることが大切だということです。
山尾  そこで必要になるのは、高校同士の連携ですね。他校と情報交換ができれば、自校の立ち位置を相対化できるし、やるべきことも見えてきます。ところが今は、孤立している高校が多いように思います。大学入学後はもちろん、社会に出たあともしっかりと伸びる生徒を育てるには、私たち教師は自分たちの高校は何をするべきかをさらに考えていかなければなりません。そのために、共通の問題を抱える高校同士での情報交換を、もっと活発にしていくべきでしょう。
 混迷する時代にあって、どの高校の組織や取り組みも、脆弱な足場に立っているのではありませんか。今こそ我々は胸襟を開いて語り合うべきだと考えます。
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専門性と指導力を磨き、
知的な刺激を与えること―
それが高校教師の役割


岡山県立岡山朝日高校 北澤正志
Kitazawa Masashi


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