「学びの共同体」の取り組みを始めてから12年ほどが経ちました。現在、全国の国公立小・中学校の約1割が導入しています。
ある程度想像はしていましたが、これほどの成果が表れるとは考えていませんでした。荒れた学校でも「学びの共同体」を始めると、子どもの問題行動はうそのように減り、不登校者の7~8割は学校に来るようになりました。学力も向上しましたが、私が最も嬉しく感じるのは、子どもの学び合う姿がとても素敵なことです。子ども同士が助け合いながら真摯に学びに向き合っているのです。
高校でも4年ほど前から「学びの共同体」に取り組む学校が出てきました。導入効果は大きく、1学年の半数以上いた中退者が1桁にまで減った高校もあります。高校での導入校は急速に増え、今では週に2、3校から講演依頼や導入の相談があります。08年に東京大教育学部附属中等教育学校で行った公開授業には、800人以上の高校関係者が集まりました。進路多様校だけでなく、進学校でも一斉授業が成立しづらいという現実があると思います。
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