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高校説明会の運営を生徒に任せる
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最初の重要な実践は、05年度に校内で開いた高校説明会だった。毎年、高校の先生の話を聞く際に、生徒の集中力が途切れることが問題となっていた。05年度の計画に当たっては、説明会の運営方式に問題がなかったかという観点から内容を検討した。その結果、生徒全員が体育館に集まり高校の説明を聞くという従来の形式ではなく、高校ごとに別々の教室で説明会を開き、興味のある高校を選んで生徒自らが出向く形にした。しかも、生徒自身に実行委員会を組織させ、高校の先生の誘導や司会進行も担当させる、自主運営方式にした。研究主任(当時)の空閑宏史先生は、「生徒は期待以上に頑張りました」と当時を振り返る。
「生徒は自ら改善案を出し、工夫して進行しました。進路指導主事を中心とした綿密な計画と、十分な練習の成果もあり、説明会は滞りなく終わりました。生徒が説明会の運営をすべて行うのは珍しいようで、高校の先生から高い評価を得ました」
もちろん、いきなりこのような実践が可能になったわけではない。空閑先生は「絶対に失敗しないと思えるだけの準備を綿密に行ったことが大きい」と強調する。
「『生徒の自主性に任せる』のは、決して『教職員が手を掛けない』ということではありません。むしろ、当日の流れのシナリオづくりや、本番を想定した事前の練習などは、例年以上に細かな点まで目を配りながら準備をしました。生徒が『出番』と『役割』をきちんと果たし、『承認』を得て自信を深める。そのためには『本番では絶対に成功する』と思わせるだけの自信を、生徒に付けさせなければなりません。開発的な取り組みは、きめ細かな支援があって初めて成立するものだと思います」 |
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