地方公立高校の挑戦
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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開発的生徒指導を支える「黄金の一週間」

 次に着手したのが「黄金の一週間」(図1)だ。学期始めや行事終了後など、高まった意欲が低下する一週間を大切にしようと、生徒に意識させる活動だ。遅刻・欠席、服装などの生徒指導、教科学習の心構えや授業の受け方など、学習にかかわる内容を重視。期間中は、校内放送や全校朝会で呼び掛け、プリントを配布して、「黄金の一週間」であることを繰り返し伝える。

図1:「黄金の一週間」を行う主な行事
「黄金の一週間」を行う学校行事を示した。他にも、毎月の始めの1 週間でも行う。「黄金の一週間」の間は、掲示物の張り替えや学年集会、あいさつ運動なども併せて行い、気持ちを引き締めようという趣旨がある
*高校入試の場合は各自の試験終了後の1 週間が該当する

 「一つの出番をやり遂げたら、それで終わりではありません。役割を果たしたことが承認され、次の出番につながってこそ意味がある。生徒自身にそれまでに積み重ねてきた成果や課題を意識させ、更に意欲を高め、次の『出番・役割・承認』のスパイラルにつなげるのが、『黄金の一週間』のねらいです」(空閑先生)
 一連の活動で注目すべき点は、「開発的生徒指導」「黄金の一週間」などの学校の方針と取り組みの内容を生徒にも十分に説明し、しっかり認識させていることだ。
 「生徒自身も、この取り組みがどのような内容で、何を目標としているのかを説明できます。中学生であれば、指導の手の内を見せてもよいのではないでしょうか。集団にかかわる全員が意思を同じくして取り組んだ方が、より良い集団となっていくと思うからです」(佐藤校長)

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図2:「出番・役割・承認」の欄を取り入れた通知表
通知表にも、「出番・役割・承認」の欄を設けた。担任や保護者と共に、めりはりのある生活を送るための工夫だ。保護者に配布する資料で、上図のように成績表の各項目のねらいと内容を説明し、学校の教育方針への理解を求めている

 活動を着実に定着させるため、通知表に「出番・役割・承認」の欄を組み込んだ(図2)。「出番」と「役割」の欄は生徒自身が記入し、「承認」の欄は生徒の「出番」「役割」で頑張ったことを担任が記入する。佐藤校長は、保護者が子どもを認めることが次の役割につながると話す。
 「『出番・役割・承認』について、保護者と共に取り組んでもらうための工夫です。三者面談などで親子が一緒に目標を確認し、担任の承認コメントを保護者にもきちんとフィードバックするようにしています」


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