生きたデータの徹底活用 「2年生0学期」を見通した1年生2月までの学習習慣の定着
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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プラス α の指導
達成感を味わえる無理のない環境をつくる
1月中旬くらいまでに、学習時間調査を実施する。学習時間をクラス間で競わせて、団結力を醸成していく。なお、その際、生徒が何を勉強すれば良いか分からない状態にならないように、教科間で課題の量を整理して、「学校からの課題をこなせば、高校生として望まれる一定の学習時間がほど良く確保できる」という環境をつくる。ある教科が課題を出し過ぎたり、課題がどの教科からも出されず学習が途切れたりしないように、日々達成感を味わえるバランスの取れた環境にしていきたい。
大学・学部への関心を高める多様な仕掛けを
高校生活1年目も終盤になるこの時期でも、生徒の大学・学部に関する知識は乏しいのが現実だ。だが、具体的に志望大を挙げられるようになった生徒は、主体的な学びへと大きく傾く。志望大との出合いにつながるきっかけはまさに多様で、こうすれば良いという答えは存在しない。だからこそ、さまざまな視点、タイミングで生徒への働き掛けが必要になってくる。「大学・学部」を常に教師が意識し、自身の体験を語るなど、地道な働き掛けを改めて見直し、取り組んでいきたい。
上位層の生徒には2ランク上の提示で刺激する
難関大に挑戦できる可能性を持った生徒には、できるだけ早い時期に入試を意識させ、受験のための学習に少しずつ取り組ませることが重要だ。そこで、志望大が決まっていない生徒には、今の学力では合格は不可能な2ランク上の大学名を面談などで挙げて、「今から必死で頑張れば何とかなるかもしれない」と声を掛ける。想定外の難関大の名前に生徒は驚きながらも、「自分にそんな力があるのか」と潜在能力を肯定的にとらえ、学習に前向きになるきっかけとなることが多いようだ。
活用後のフォロー
◎2月以降の生徒の様子から、期待通りの効果が得られた生徒、残念ながら中だるみの状態になってしまっている生徒など、取り組みの成果が個別に見えてくる。生徒一人ひとりの状況を検証することが重要だ。その上で、4月の進級までに打てる手はないか、更に2年生のクラス担任に引き継ぐことはないか協議して、可能性を次につなげていく。生徒に「自分はこんなものだ」と思わせてはならないように、教師も「この生徒はこれくらいだ」とあきらめてはならない。生徒が変わる可能性、タイミングはこの先も数多く潜んでおり、それを生かせるかどうかは学年団の意識と働き掛けに懸かっている。

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