特集)新課程を機に現行課程を振り返る

兵庫県立小野高校

◎1902(明治35)年、兵庫県立小野中学校として開校。普通科(各学年6クラス、うち1クラスは科学総合コース)、商業科、国際経済科(各学年1クラス)を設置。創立以来の校是である「明き浄き 直き 誠の心」をその基本精神に文武両道を追求している。

設立●1902(明治35)年

形態●全日制/普通科・商業科・国際経済科/共学

生徒数(1学年)●約320人

09年度入試合格実績(現浪計)●国公立大には、東京大、京都大、大阪大、神戸大、岡山大、広島大など115人が合格。私立大には、上智大、慶應義塾大、早稲田大、同志社大、立命館大、関西大、関西学院大など延べ593人が合格。

住所●〒675-1375 兵庫県小野市西本町518

TEL●0794-63-2007

WEB PAGE●http://www.
hyogo-c.ed.jp/‾ono-hs/
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VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例2】兵庫県立小野高校

揺るがぬ教育方針で
新課程での変化を受け止める

1年生からさまざまな行事や活動に全力で取り組み、生徒の進路意識を
醸成している兵庫県立小野高校。現行課程の中で、試行錯誤を
積み重ねてきた教育活動の軸は、新課程になっても変わらないという。

学校行事や部活動にも全力で取り組ませる

 兵庫県の南東部、北播磨地域に位置する小野高校は、毎年100人以上の国公立大合格者が輩出する進学校であり、当然、生徒のほぼ全員が大学進学を希望している。
 だが、3学年主任で同校勤務17年目の木村篤志先生は、「本校が取り組んできたのは、大学合格という結果だけでなく、日々の授業、部活動、そして学校行事も重視した指導です」と語る。
 「授業、部活動、生徒会活動、学校行事といったそれぞれの活動を通じて、人間としての幅や奥行きのある生徒を育てたいのです。その方が大学進学後あるいは社会に出た後に伸びる人物になります。現行の学習指導要領で『生きる力』という概念が初めて出てきましたが、そういう意味では本校は現行課程施行以前から、生徒の『生きる力』を育むことを大切にしてきたと言えます」
 木村先生によれば、小野高生の3年間は非常に多忙だという。登校時刻は8時15分だが、朝学習が8時10分に始まるため、それに間に合うように生徒は登校する。「あいさつ、清掃、時間厳守」を生活指導の3原則として徹底する同校では、遅刻者数は1日平均1人以下と少ない。
 授業は2002年度から、現行課程や学校週5日制への対応として、従来の50分×6コマの授業時間・コマ数を、45分×7コマに変更した。授業についてもチャイムと共に開始する「時間厳守」を原則としており、中身の濃い45分間となっている。
 また、コマ数が増加した分、1日当たりの総授業時間は増えたが、「文武両道」を掲げている同校では、始業時間を繰り上げることで、部活動に影響を与えないようにした。
 そして、文化祭や体育大会、コーラス大会といった学校行事も、全校で大いに盛り上がる。体育大会の目玉は学年対抗綱引きにおける応援合戦で、3年生の団結力を目の当たりにしながら、下級生は仲間と助け合い励まし合うことが、集団としての大きな力になることを実感する。
 同校の特徴は、単に生徒に多様な活動をさせているということだけではなく、それぞれの活動に全力で取り組ませていることだ。2学年主任の後藤司先生は次のように語る。
 「例えば、講演会の後に書かせる感想文一つとっても、生徒がおざなりの文章を書いてきたら、書き直しを指示します。手抜きを許さないのです。ですから卒業生に高校3年間の感想を聞くと、『とにかく忙しかった。でも充実していた』という答えが返ってきます」

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