特集)新課程を機に現行課程を振り返る
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 新課程では、現行課程施行時と比較すると大きな変更はないが、既存の教科等での指導内容で、新たな視点が盛り込まれた(図2─1)。そこで、新課程を機に、次の4つのポイントを踏まえて現行課程を振り返り、現在の取り組みの「中身」を改善する契機としたい。

(1)新課程の理解(狙い、学力観、学習指導観)

(2)現行課程施行で新しく導入した取り組みの棚卸し

(3)効果の上がる取り組み、無駄の多い取り組みの整理

(4)中学校の実態の把握

 2013年度全面実施 新課程での重要ポイント

図2-1

  高校 新課程のポイント カリキュラム
作成のポイント

「国語総合(4単位)」のみ必履修

 現行課程では、「国語総合」と「国語表現I」の選択必修であったが、「国語総合」のみを必履修。更に、「『国語表現』、『現代文A』、『現代文B』、『古典A』及び『古典B』の各科目については、原則として、『国語総合』を履修した後に履修させるものとする」とあり、履修順序も明確に示された。

言語活動例が具体的に示された

 現行課程に比べ「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の内容が具体的に提示され、 現場での指導の在り方に踏み込んだ内容になった。
例)(「国語総合」の「2. 内容」の「書くこと」の項)
ア 情景や心情の描写を取り入れて、詩歌をつくったり随筆などを書いたりすること。
イ 出典を明示して文章や図表などを引用し、説明や意見などを書くこと。
ウ 相手や目的に応じた語句を用い、手紙や通知などを書くこと。

「国語総合」の単位増の検討。


「現代文A・B」、「古典A・B」の配置と取り扱いの検討(A科目は言語文化の理解が中心。B科目は読む能力育成が中心)。


「数学I(3単位)」のみ必履修

 現行課程の「数学I」と「数学基礎」の選択必修から、「数学I」のみ必履修(3単位)に変更。「数学A」は全分野必修から選択履修に再構成される。数Cがなくなり、数IIIは5単位で「複素数平面」が復活。

中学校との接続や系統性の更なる重視

 「数学I」では、新たに統計に関する内容を加え、中学校内容の「数と式」「図形」「関数」「資料の活用」の4領域との接続を重視し、「 数と式」、「図形と計量」、「ニ次関数」、「データの分析」の4つで構成。

知識・技能の活用を重視

 「数学I」及び「数学A」の内容に〔課題学習〕を位置付けると共に、「数学活用」の科目を新設し、学習内容の“活用”が重視される。

「数学I」の単位増の検討。


「数学A」の選択分野をすべて扱うために、単位増の検討。


「数学I」「数学A」の課題学習をどう取り扱うか。


「数学III」の単位増の検討。



「コミュニケーション英語I」のみ必履修。

 現行課程の「英語I」または「オーラルI」の選択必修が、「コミュニケーション英語I」のみ必履修に変更。「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を総合的かつ有機的に関連させながら実践的なコミュニケーション能力を育成する点が明確化された。

言語活動充実のため言語材料の増加と活用の重視

 高校で指導する標準的な単語数が1,300語から1,800語に増加(中学校、高校合わせて 2,200語から3,000語に増加)。中学校・高校で学習する文法などの内容は、言語活動と関連付けて繰り返し指導して定着を図ることが明文化されている。更に、生徒自身の英語を活用する機会を増やせるよう、「授業は英語で行うことを基本」と示された。

技能面での学力養成と知識定着のバランスに力点を置きつつ、大学入試を想定した3年間の科目編成・単位数の検討。


「英語で授業を行う」ことが必要な内容とそうでないものを精選して展開する。





科目の変更はなし

 従来の方針を継承しつつ、「思考力」や「表現力」を重視。各科目で、課題を探究する学習が項目として設けられると共に、地図や年表をはじめとする各種資料の活用、論述・討論などの言語活動を重視。

世界史、日本史、地理相互の関連付けを重視。

 必修科目である世界史では、地理や日本史にかかわる内容を充実。

倫理・政経の4単位対応をどう工夫するか。


理科の影響を踏まえ、各科目の単位設定の判断が現行課程とは異なる可能性があることを考慮。


共通性と多様性を考慮した科目編成の柔軟化

 物理、化学、生物、地学の中から3領域以上を履修するように見直された。日常生活や社会との関連を重視した「科学と人間生活」(2単位)を含む2科目、または、「基礎を付した科目」(2単位)のうちから3科目が必履修。

小・中・高の学習内容を接続・系統化

 小・中・高の理科を通じて、「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」の共通概念を柱として、発達段階を踏まえた内容の構造化が行われる。高校においてはそれぞれ、物理、化学、生物、地学の4分野の内容と関連。

2科目必履修で展開するか、3科目必履修で展開するかの検討。


2単位科目の編成と、文理間で起こる差の検討。


4単位科目において5単位以上の確保をするかの検討。


歯止め規程が無くなることによる入試対応をどこまで行うか。


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