特集)新課程を機に現行課程を振り返る
工藤文三

▲国立教育政策研究所
初等中等教育研究部長

工藤文三

Kudo Bunzo

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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まずは現行課程の総括を

国立教育政策研究所
初等中等教育研究部長

工藤文三

教育課程編成の主体は学校

 新学習指導要領が告示されて1年が経過しました。全面実施までにまだ時間があることから、学校現場の関心の高まりはいま一つのようです。新学習指導要領を受けて教育課程の検討を進めている学校も、単位数や選択科目など教育課程のやや技術的な面に気を取られ、どのような学校を目指すのか、各教科等の教育を通してどのような力を身に付けさせるのかという本質的な議論にまで及んでいない状況にあるのではないでしょうか。
 忘れてはならないのは、教育課程編成の主体はあくまで学校であり、学習指導要領はその基準に過ぎないということです。「学習指導要領が改訂されたから教育課程を変えなければならない」という受け身の発想ではなく、生徒の学力や特質・実態、地域の特性など、自校を取り巻く課題を整理した上で、学校の課題解決の方向と新学習指導要領との適合性を図ることが大切です。
 現行課程が告示されてから10年がたちました。まずは、この10年間を総括することが必要と考えます。これまでの取り組みの成果と課題を明らかにすることによって、新課程に向けた議論はより実りのあるものになると思われます。

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