生きたデータの徹底活用 次年度につなげる総括・引き継ぎと3年生からのデータ収集
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
  PAGE 2/4 前ページ  次ページ
プラス α の指導
生徒の「褒める視点」を学年で共有する
「欠席が減った」「遅刻をしなくなった」といった生徒の変化や、「成績の急上昇」「課題提出率が100%になった」などの学習面での頑張りなど、「褒めるべき生徒のプラスの変化」は、どのようなものがあるかを学年団で共有する。その視点で生徒をピックアップし、引き継ぐのも効果的だろう。掃除やあいさつ、クラス行事への参加など、日々の学校生活の一つひとつの活動が評価の対象になり、それらを大切にすることが、進路実現という大きな成果につながることも教師間で確認したい。
生徒アンケートで教師の気付きを得る
「先生の話で印象に残っていることは何か」「文化祭やクラスマッチなど、クラスでの取り組みで特に思い出に残っているものは何か」といった質問には、教師が予想していなかった回答が寄せられることもある。教師自身はあまり意識していなかったさりげない一言やちょっとした指導が、生徒に大きな影響を与えていることも多い。教師一人ひとりが自身の言動などを振り返ると共に、今の高校生の感受性を理解する資料として、学年団でも共有しておきたい。
HRでのプラスの雰囲気づくりで次年度につなげる
年度の最後のHRや学年集会では、「褒める」「認める」「感謝する」ことを意識して、生徒のモチベーションを次年度にうまくつなげていきたい。その際、4月の時点で決めたルールや、教師が年間を通して繰り返し訴えた自校としての心掛け、クラス目標などで、出来た部分をクローズアップして褒めるようにする。その上で、出来ていない部分を次年度の課題として指摘しつつ、なお一層重要な目標として取り組んでいくことを確認すると良いだろう。
活用後のフォロー
◎総括のための生徒アンケートや、引き継ぎ資料などは、書かせっ放しや、つくりっ放しにならないようにしたい。日々の声掛けの材料にするのはもちろん、年度中にコメントを加えて生徒に返したり、新担任の面談の資料にするなど生徒とのコミュニケーションツールとしても活用したい。特に、新担任に長所や得意なことを知ってもらうことは、信頼関係の醸成につながる。なお、総括や、引き継ぎ資料の作成は、一度にやろうとすると大変になる。年度当初から、総括を意識した定点観測を学期ごとなどで行っていきたい。担任は、新年度の初めに図2のシートを作成して、更新していっても良いだろう。

  PAGE 2/4 前ページ 次ページ