[ポイント5] 評価結果は、改善策とセットで公表したい |
診断結果の公表は必要ですが、多くの学校で、どのようなかたちで公表すべきかを悩んでいました。
(1)生の数字で出すか、
(2)数字に学校の考察をつけて出すか、
(3)数字は出さずに考察だけを出すか?
先生方は、数字を出したとき、それが一人歩きをしないかと心配されました。
はっきりいえることは、評価結果の公表だけに努めても、必ずしも保護者・地域の信頼を得られるとは限らないことです。確かに、問題を隠してしまうと、不信感が募ります。しかし、あまりにも問題が多く提示されると、“困難校”とレッテルが貼られかねません。
大事なことは、評価結果に表れた問題に対して、学校が何をするのかの手だてとセットで公表することです。それが納得できるものなら信頼が得られるし、求めれば協力も得られるはずです。 |
▲図 学校評価を行ったら、結果を公表しておしまいではない。実施後の課題の焦点化・具体化と改善策の情報発信が重要になる(善野先生作成)
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[ポイント6] 現場をよく知るスーパーバイザーの存在が必要 |
診断で明らかになった課題に対して、どこからどのように取り組むか? これにも、スーパーバイザー的な存在からのアドバイスが必要だと思います。具体的には、大学の教育学部や国立教育政策研究所、都道府県の教育センターなどで学校評価を専門に研究している人を校内研修に招くことから始めるといいですね。
人選のポイントは、学校現場をよく知っていることです。身近なところで、よりよい実践をしている先輩教師などに求めるのもよいのではないでしょうか。 |
[ポイント7] 学校評価と学校評議員会(協議会)が両輪になって学校改善を |
学校評議員制(大阪府では学校協議会)は、開かれた学校づくりをめざしてつくられたものです。学校協議会を自己診断とリンクさせ、学校改善を進めるポイントを別項に示しました(次ページ参照)。
ある学校は委員を公募で選び、公募するとき、レポートを提出させました。学校が主体性を発揮している好例です。委員は単なる学校評価者ではなく、学校経営の参画者であること、「こうしたらどうですか」と提言ができる人であることが重要です。
会議は、行事の直後など、議題と時期をうまくリンクさせるのが有効です。例えば、公開授業週間などに、委員の一人にゲスト・ティーチャーとして授業をしてもらったあとなら、「だから、こんな手だてが必要だ」などの具体的な声が出てきます。
「侃々諤々、叱咤激励で、協議会の後は落ち込む」とおっしゃっていた先生もいました。言いたい放題ではあるけれども、言いっぱなしではない。そういう協議会にしてほしいものです。 |
[ポイント8] まず、授業改善から取り組む |
診断結果から明らかになった改善項目は多岐にわたると思います。しかし、まずは、「授業改善」に特化して始めるのも一つの方法です。授業改善の分野なら、どの先生も得意分野だと思います。長年授業研究に取り組んできた先生方の力が活かせるのです。
学校評価を定着させるのは、「やってよかった」の実感です。その実感は、子どもの変容から得られます。その意味でも、まず授業改善から取り組むことをお勧めします。(談) |