愛知県犬山市立 東小学校
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授業形態のパターン化と成功体験
東小学校が進めている少人数授業は、「教える授業」から「学ぶ授業」への転換をめざしているのが特徴だ。このため、算数の少人数授業は、各単元の特性に合わせて、一斉指導、グループ学習、個別指導などの組み合わせによる綿密なパターン化(図3参照)が行われ、それをもとに指導計画がつくられている。また、「数と計算」などスキル学習的要素の強い単元では、到達度別(習熟度別)指導も一部で導入されている。
▲図3 領域によって学習形態を変えて実施することで、一斉指導を大きく上回る効果が現れている
各単元に共通しているのは、オリエンテーションで単元のねらいと到達目標を子どもに示し、見通しを持たせることだ。このときプレテストを行い、さらに単元の最終時に同一問題によるテストを実施して、子どもたちに達成感を味わわせる工夫をすることもある。
各単元ともに授業形態の中心に据えられているグループ学習は、子どもたち同士が学び合い、教え合う態度を育てることが最大のねらいだ。1時間の授業に、グループによる意見交換など自分の考えを発表する時間を設定し、グループ学習の弊害である「他人任せ」にならないようにしている。子どもが手を挙げ、教員が指名するという従来の方法は、「一見活発そうな授業に見えるが、実は“先生と子ども”という域から出ておらず、学習集団づくりにはならない」と説明している。
また、少人数授業のグループ学習では、子ども同士で教え合えるために、先生はつまずきのある子どもにかかわる時間を確保しやすい。また、グループで励まし合うことで、普段は授業から取り残されていると感じる子どもにも「やればできる」という成功体験を積ませることもでき、遅れがちな子どもの学習意欲を育てる面でもメリットは大きいという。
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