ベネッセ教育総合研究所
特集 豊かな学力の確かな育成に向けて
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学びの具体的仕組みが学校の特色になる
 学校の裁量権が拡大して、各学校に独自色が求められていますが、特色の出し方の一つとして私が提案したいのは、地域を巻き込む、つまり外部人材の活用です。「総合的な学習」ではすでに多くの学校が活用していますが、基礎A+Bでも使えないかということです。
 ある中学校では、選択数学の時間に、小学校からの課題を積み残した生徒を集めて「基礎数学」を開講し、近隣大学の学生二人と退職した社会人、合わせて三人にボランティアで参加してもらっています。担当教師も含めて四人で20人の生徒をみているので、だれ一人よそ見もせず、集中して問題を解いていました。
 この方法は、小学校でも可能だと思います。そして、ボランティアを活用した基礎力育成は、十分に学校の特色となると思います。だれにどのように手伝ってもらえるかを考えて運用の仕組みをつくる、これが管理職の手腕だと思います。
 いまや、
教育方法と学校経営は一体化しています。例えば習熟度別学習のとき、何年生にどのような先生の組み合わせで対応するのか、外部人材をどのように活用するのかなどを、学校経営の問題として考える時代になっているのです。
 
宮城県迫町立佐沼小学校では、子どもの発達段階に合わせて、TT、少人数指導、習熟度別指導、教科担任制を組み合わせています。1年生は、クラスを維持したままで算数や国語でサポートの教員が加わったTT。2、3年生は、学級を解体した均質の少人数指導。習熟度や興味の差が出てくる4年生の算数は、習熟度によるコース別の授業。さらに5、6年生は、算数と体育以外は教科担任制になります。つまり、何か華々しいアドバルーンを上げなくても、学びの具体的な仕組みが学校の特色になるのです。


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