授業実践 映像コンテンツから「知りたい」気持ちを引き出す |
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今回の授業で学習する単元は「世界の中の日本」、全6時間中、今日は2時間目だ。本時の学習のめあては、「日本と関係の深い国を一つ選んで、何について調べるか決める」ことだ。授業が行われたのは、6年生の普通教室。17人の児童に対して、デスクトップパソコンが3台、ノートパソコンが6台用意されている。
(1)導入・前時の復習
「昨日の地図の学習を思い出してみよう。どんな国があった?」
まずは前回の授業の復習として、知っている国の名前を子どもたちに発表させたうえで、石井聡先生は前方のプロジェクターに注目させる。
(2)導入・映像を見て自分たちと比べる
「これからみなさんにある映像を見てもらう。この映像はある国の映像なんだけど、映像を見て気がついたことや『何か自分たちとは違う』というところを観察してみてください」 |
▲写真1 「これはなんだと思う?」先生の問いかけに注意しつつ みんなでプロジェクターの映像を観察する
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流された映像は、教科別に動画が用意されている「@発見島Movie」(注)の「中国」の映像だ。
注 @発見島Movie 学習効果の高い動画を厳選して、教科別・単元別に収録した動画コンテンツデータベース。国語、算数、生活、理科、社会、体育、総合など、教科書単元に沿った内容の多彩な動画コンテンツが用意されており、プロジェクターでの教材提示や調べ学習に利用できる。
中国の人たちの生活のようすがプロジェクターで大きく映される。「日本と違うところをよく探して」と石井先生。
映像を見ながら、石井先生は「何かな? これは?」とこまめに注意を促す。そのうえで「日本と似ているところ・違うところ」をプリントに書かせ、発表させる。似ているところは「人の顔」「料理」、違うところは「漢字の書き方」などの意見が挙がった。ここまでが導入だ。 |
▲写真2 中国の人たちと日本人とはどこが似ていて、どこが違うか、 映像を見て気づいたことを発表していく
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(3)パソコンを使った調べ学習
「日本と関係ある国、つながりの強い国を四つ選んでみました。今日は、このなかのどの国の何を調べたいかを考えてもらいます。
パソコンにアメリカ、中国、韓国、ブラジルの四つの国の映像を用意しているので、それを見て、調べる国を決めてください」
ここからは、子どもたちがパソコンに向かって考える時間だ。パソコンは二~三人に1台ずつ用意されている。パソコンのある場所に集まって「@発見島Movie」をはじめとして、先生が用意したいろいろな動画を開く。みんな次次と四つの国の映像を開き、映像に見入っている。一緒に見ている子同士で「なんだろうこれ?」「ビルばっかりだね」と気づいたことを口にする。そのことが、さらに映像の細かいところまで気づきやすくしているようだ。みんな映像を丹念に観察して、にぎやかに印象を話し合っている。 |
▲写真3 2、3人に1台ずつ与えられたパソコンに向かって、 動画コンテンツを次々と見ていく
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(4)調べた結果をプリントにまとめる
「それじゃあ、どこの国のどんなところを調べようと思ったか、プリントに書いてください」
プリントに書き込んだところで、「どの国をどう調べたいか」発表していく。
「アメリカを調べたいです。自由の女神について知りたいから」
「韓国。キムチが好きだから」
こうした子どもたちの答えに対して石井先生は、「どうしてそう思った? それは私たちの暮らしにつながっている?」と日本とのつながりを意識させるように、問いかけをしていく。ここで考えた自分の調べたいことを、今後はパソコンだけでなく図書室の本も使って調べようと確認し、授業は終わった。 |