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各学校のカリキュラム開発とマネジメントの向上に期待します |
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─よい取り組み・モデルを例示すると言われましたが、具体的に教えてください。
大槻 よい先進事例を集めることもそうですが、いま、学力向上フロンティアスクールをはじめ、アクションプランとしていろいろな事業を行っています。それらの学校でイニシアティブをとって、よいモデルをつくり、他校にも還元してほしいと考えています。
私が期待しているのは、ごく普通の学校から「これはいい取り組みだな。うちでもできるな」というものが出てくること。
教育界には、「よかった例しか外に出さない」体質があるようですが、うまくいかなかった取り組みの情報も提供してもらいたいと思います。
─現場の先生方にどんな期待や願いを持っていますか?
大槻 学校には、どのような教育をめざし、どんな活動をしているのか、その結果、子どもたちの状況はどうか、課題に対してどのような手を打つのかを、地域や保護者に明らかにしてほしい。そして、外部との連携協力のなかでより豊かな教育を行い、一緒に子どもを育てていただきたいと思います。
どうか、先生方がご自分のお子さんを通わせたいような学校にしていただきたいと思っています。
ただ、学校にもできないことがあります。学習が成立するための基本的なしつけすらできていない子どももいます。
そういう子が学級に一人でもいたら、先生方は相当な苦労をします。本来家庭ですべきしつけまで先生に要求しても無理だということを、世の中に向かって私は言いたいですね。
─長いスパンで、公立学校に元気になってもらう手だてをどのようにお考えですか?
大槻 ナショナルスタンダードとして決めている部分が次第に小さくなり、現場での裁量の余地が増えてきています。そこで求められるのが、各学校のカリキュラム開発とマネジメントの力です。
先生方には、創意工夫を生かして、自分たちがやりたかった教育内容をぜひ実現していただきたい。説明責任を果たしつつ、工夫していただきたいですね。
個人的に期待しているのは、先生方の教科研究会です。公の研修とは別の「私的な研究」にも積極的に取り組んで、力量を高めてほしいと思います。もちろん、学校や学年単位での協働を充実させることも期待しています。教員養成系の大学と学校、教育委員会との連携も大事だと考えます。
─本日はありがとうございました。
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