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「ありのままの授業」を見合うことに意味がある |
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こうした実践を行うには、教師にかなりの力量が要求される。そのため立山小では、「教師同士が互いに授業を見合う」機会を積極的に設けている。
一人年1回以上の研究授業を行うほか、普段の授業もオープンにしているので、ほかの先生が自由に見学できるのだ。
TTの新しいかたちとして、一人は授業をして、もう一人は「授業を見るだけ」というスタイルも取り入れている。TTを組む先生に力量差があると、TT授業の利点が生かされない。それを改善するとともに、教室の後ろから授業を見ることで、普段は気づかない子どもの姿を知る機会にもなる。特別に準備した研究授業ではなく、「授業のオープン化」が進んでいる同校では、普段の授業のありのままの姿を見せることになる。
「研究のための授業をしても意味がない。『演出はやめよう』と言っています。目標を遠くに設定すれば、毎日の授業はプロセスに過ぎないのですから」(黒田校長)
だから、「ごまかし」がきかず、教師の本当の力量が問われることになる。
「みっともない姿を見せることも多いので、先生には根性が必要です」(黒田校長)
同校の授業や取り組みは、必ずしも完成されたものではないかもしれない。しかし、教師一人ひとりが、みっともなさをさらしながら、試行錯誤を繰り返している姿を目にすれば、子どもたちも失敗を恐れず、「わからない」ことにも意欲的に取り組んでいく姿勢が身につくと先生たちは考えているようだ。 |
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5月の運動会が終わったあとの「ぐんぐんタイム」では、来年の運動会に向けて、100メートル走の記録を伸ばそうと、トレーニングを始めた子どもたちの姿が見られるようになった。また、ある日の音楽室からは、「ぐんぐん合唱団」の子どもの歌声が響いてくる…。
いまや立山小では、子どもたちが自分で決めた課題に自主的に取り組むのが当たり前の姿になっている。授業をオープンにして切磋琢磨し合う教師の姿とともに、同校の目指す学校づくりの成果が確実に表れてきている。 |
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