ベネッセ教育総合研究所
愛知県岡崎市立藤川小学校
藤川小学校データ
 岡崎市は、愛知県の中央部に位置する人口約35万人の都市。藤川小学校は、東海道五十三次の37番目の宿場町として栄えた歴史と文化の豊かな藤川に、1872(明治5)年に開校。学区内は、松並木の残る街道や里山の自然に囲まれ、学校・家庭・地域が一体となって教育を考える風土が備わっている。一方で1994年度に岡崎市内の他の小学校に先駆けてパソコンが導入されて以来、ITを活用した教育についても積極的に研究を進めており、「不易」の部分と「流行」の部分を織り交ぜた教育に特色がある。
〒444-3523 岡崎市藤川町西町北44
TEL 0564-48-2029
FAX 0564-48-2334
http://www.oklab.ed.jp/fujikawa/
校長/渡邊總意先生
児童数/349人
学級数/14学級
渡邊總意校長
▲渡邊總意校長
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教師の使いやすさを追求し、
校内LAN利用の活性化を実現
愛知県岡崎市立藤川小学校

 パソコンの普及、校内LAN設置など、市区町村単位でIT環境が整備されてきた。その一方で、さまざまな理由からせっかくの設備を生かしきれていないという声も聞く。藤川小学校では、そんな悩みをさまざまな工夫で解消してきた。


パソコンの準備だけで10分もかかることの解消策
 藤川小学校のある岡崎市では、「教育の情報化」にいち早く対応すべく、さまざまな実践・研究を積み重ねてきた結果、市教育委員会と市内の全小・中学校を結ぶ「OKネット(岡崎教育ネットワーク)」をつくりあげ、教育コンテンツ配信システムの構築に力を入れてきた。このシステムには、市のサーバー(大型コンピュータ)にある学習素材を各校が自由に取り出して利用できるしくみや、児童・生徒が各家庭からアクセスして自学自習できるeラーニングのしくみが導入されている。
 そんな岡崎市のなかでも、藤川小学校は早くからIT教育に取り組み、1994年には市内の小学校のなかでいちばん早くパソコン室を設置した。試行錯誤の時期を経て、2002年には、市や国からの援助で、ノートパソコンが児童用に18台、職員には一人1台行き渡り、全教室のLAN化、職員室サーバーおよび全校サーバーの設置が行われるなど、充実した環境が整った。  しかし、初年度はそうした環境が実際の指導に十分には生かされなかった。
 その事情を教務主任の天野道晴先生はこう語る。
 「例えば、教室でパソコンを10台以上使う場合、電源をつなぐためのドラムを用意しなくてはならない。LANユニットやアクセスポイントもそのたびに設置する必要があった。45分の授業のうち、準備だけで10分以上かかるわけです。これではなかなかパソコンを活用した授業は広がりませんでした」
 そこで、天野先生を中心とした「研究推進委員会」で対策を練った。目指したのは「利用の手軽さ」。具体的には、次のような取り組みを行った。


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