ベネッセ教育総合研究所
特集 教室を超えて生きる国語力
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国語科の実践を他教科や日常生活にも広げる
 同校の国語力育成は、「国語科は練習の場、他教科・道徳・特別活動・総合的な学習の時間は試合の場」との位置づけのもと、国語科で身につけた力が他教科や生活場面でも生かされることを目標としている。
 例えば4年生算数「ともなって変わる量」の導入部分の授業でも、「今日は『ともなって変わる』ということがどういうことかが理解できればいいです」と最初にめあてを明確に示し、日常生活のなかで「ともなって変わる」の例を探して書かせる「一人学習」の時間や、書いたことを発表させ、意見を交換し合う時間をしっかりと確保している。
 また、各教室や廊下、階段など校内のあちこちには、言葉にこだわった掲示物がいくつも見られる(写真3)。
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▲写真3 階段の段差を利用して、四字熟語が
常に児童の目にふれるような工夫をしている
例えば、低学年、中学年、高学年別に作成され、全教室に貼られる「発表の仕方」には、「賛成意見」「反対意見」など、ケースに応じた発表の基本型が示されている(写真4
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▲写真4 発表の仕方をさまざまなケースに応じて示した掲示物。
低・中・高学年ごとに共通で制作し、すべての教室に貼られている

これは、教師がそれぞれの問題意識からつくっていたものを、5年ほど前に学校全体で系統立ててまとめたものだ。
 「相手に正しい方法でわかりやすく伝えるためには、まず基本となる型を教えることが大切です」と研究主任の曽根芳子先生は説明する。ただし、最終的に育てたいのは「自分の言葉を使って型から抜け出せる子」だということも忘れてはいない。
 そのほか、宮園小では、子どもたちの語彙や言葉に対する感性、表現力を育成する取り組みとして、俳句づくりにも力を入れている。俳句をつくるなかで子どもたちは(1)ものを見る力、(2)気づく力、(3)深く考える力、(4)感じたことを言葉で紡ぐ力、(5)互いに学び合う力を身につけていく。
 04年度は、広島県の「『ことばの輝き』優秀作品コンクール」の「その他の部」(俳句)で、同校5年生児童が最優秀賞を受賞した。このコンクールでは、「各教科の部」や「総合的な学習の時間の部」でも同校児童が優秀賞を受賞。子どもたちの言葉の力、国語力は確実に育ってきている。



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