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教師たちの「気づき」 |
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子どもに親しまれる図書館づくりは、教師にとっても使いやすい図書館を生み出した。子どもたち自身が進んで図書館を利用するようになれば、教師も図書館を活用した追求型の授業に取り組みやすくなる。
01年度には、校長、教頭、教務主任、研究主任、学年主任、司書教諭、図書主任、学校司書などがメンバーの「図書館活用教育特別委員会」を立ち上げ、学校全体が共通理解のもとで図書館活用教育を計画・推進していく体制が整った。
また、02年度からは、図書館の効果的な活用を学び合う授業研究を年4回、2学年ずつ実施している。司書教諭が図書館活用授業のすべてを見て、各教師へのアドバイスも行う。
「学校司書、司書教諭だけでなく、すべての先生が図書館活用のスペシャリストになりつつあります」(図書主任の柴田陵子先生)
富樫恒文校長も「全教職員が同じ方向に向かって取り組んでいる。学校の教育力は確実に向上している」と自信を持つ。子どもの学力は大きく向上。また、「子どもは本を読むのが好きか」「家庭で本が話題になるか」といった保護者向けのアンケートでも、肯定的な回答が80%近くを占める。03年度には、学校図書館の振興に著しい業績を示した個人や団体に送られる、全国学校図書館協議会の「学校図書館賞」の大賞を、小学校としては全国で初めて受賞した。
しかし、「まだまだ十分だとは思っていない」と富樫校長は語る。情報活用能力向上、図書館運営への児童参加、市立図書館や中学校、家庭との連携など、実践を積み重ねるほど、新たな挑戦課題も見えてくる。10年間の取り組みにより、図書館を中核とした学校経営を実現し、今も前進を続ける朝暘第一小。同校の活動は、学校図書館を軸とした国語力向上、ひいてはトータルな学力向上への大きなヒントとなるだろう。 |
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▲図3 国語力と生きる力を育む朝暘第一小の図書館活用教育
図書館を活用したさまざまな学びによって、子どもの国語力と
生きる力を 段階的に身につけさせるシステムが確立している |
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