2 「IT活用」の効用は、プログラム的指導や プロジェクト的指導の要素を確実に
押さえた 授業実践を前提に発揮される |
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前述のように、授業への積極的なIT活用と子どもの教科学力との間には、正の相関関係が認められましたが、果たしてITの導入は学力向上の切り札となるのでしょうか? |
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図3は、教師の「IT活用状況」と「学習指導の方法」のスコアの高低のパターンによって、子どもの教科学力がどのように異なるかを比較したものです。「学習指導の方法」は「教師の指導力」の領域で、いわゆる支援的側面(プロジェクト的指導)と指導的側面(プログラム的指導)の2観点から測定しました。(注) |
注 「プロジェクト的指導」の調査項目には(1)
体験・作業要素、(2)課題探究要素、(3)表現・表出要素、(4)交流・協業要素を設定。
「プログラム的指導」の調査項目には(1) 少人数指導、(2)習熟度別指導、(3)発展的内容指導、(4)課外での指導を設定した。
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ここでは、「IT活用状況」および「学習指導の方法」のスコアがそれぞれの平均値以上を「○」、平均値未満を「×」として教師を4群に分類し、各群教師の担当した子どもの教科総合スコアを算出しています。その結果、教科総合スコアが最も高いのは、「学習指導」および「IT活用」ともに平均以上のパターンAとなり、反対に、ともに平均未満のパターンDは教科総合スコアが最低になりました。「IT活用」は積極的に行っていても、「学習指導」が十分ではないパターンCでは、教科学力は平均(50)に満たず、「IT活用」のみに頼った指導の限界を示唆しています。 |
以上の結果から、日々の授業においてITを積極的に活用することの有効性ははっきりと認められるものの、その成果は、プロジェクト的指導やプログラム的指導がバランスよく設計・実践されている場合に初めて発揮されることがわかります。「IT活用」が「学習指導」の中にしっかりと位置づけられることが、子どもの学力向上に効果的につながるといえるでしょう。
「学力向上のための基本調査2004」では、「教師の指導力」「家庭の教育力」「学校の経営力」の三つの要素を「総合教育力」のコアとして定義。児童・生徒の「総合学力」をバランスよく育成していくためには、この三者を有機的に関連させる「学力向上のトータルデザイン」が不可欠であるとの基本仮説に基づいた検証を行いました。05年3月末に報告書『総合教育力の向上が子どもの学力を伸ばす』を発刊。サマリー(中間報告)は、こちらからご覧いただけます。
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