ベネッセ教育総合研究所
オピニオン 「教育の指導力」「家庭の教育力」「学校の経営力」が子どもの学力を豊かに伸ばす
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II 「家庭の教育力」と子どもの学力の関係
 次に、家庭の教育力を3つの要素に分類して分析した。(図2-(1))
図2-(1)
 1つめは「家庭でのしつけ(Discipline:D)」。基本的な生活習慣や、学習に対する構えをどう形成させていくかということである。
 2つめは「家庭内での交流・支援(Interaction:I)」。家族の相互信頼の基盤形成などである。
 3つめが「保護者自身の学びへの参画(Participation:P)」であり、ロールモデルとしての率先垂範や、保護者自身の学習活動に関する要素である。
これらの質問に対する回答と教科の総合スコアの偏差値との関係を見てみたところ、ここでも相関が見られた。例えば、「家庭でのしつけ」の分類の中の「約束したことや自分の言動に責任を持つように言っている」という問いに「とてもあてはまる」と答えた保護者の子どもと、「まったくあてはまらない」と答えた人の子どもでは、偏差値で10ぐらいの差があった。これは、学齢が上がるほど顕著だった。(図2-(2))
図2-(2)
また、「難しい問題でも、投げ出さないでじっくり考えるように言っている」という問いに対しても、「とてもあてはまる」と答えた保護者の子どもと「まったくあてはまらない」と答えた子どもの偏差値で10ぐらいの差が出ており、こちらは低学年のほうが顕著に表れている。このように、しつけにしても、どの学年でも同じことを行うのではなく、子どもたちの発達段階に応じたしつけの必要を示唆するデータとなっている。
 
III 「学校の経営力」と子どもの学力との関係
 学校の経営力に関しては、「校長の経営方針(Management)」「組織・体制の連携強化(Organization)」「教育資源の有効活用(Resource)」「教育課程の整備・充実(Education)」という4つの領域に分類した。(図3-(1))
図3-(1)
これらについても、質問項目に対する校長先生の回答と、その学校の子どもの学力において、正の相関が見出された。
図3-(2)


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