ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
PAGE 4/56 前ページ次ページ


「わかる・できる」授業と繰り返し学習が実った!
 15年度末の学力調査では、こうした取り組みが功を奏し、国語・算数の「基礎」「応用・発展」のいずれも荒川区全体の達成率を上回る結果となった(図1)。特に、算数の「応用・発展」では区全体の達成率を大きく上回った。
図1
■図1 平成14年度と15年度の学力調査の結果
 学力向上の要因として、まずは3年生から6年生までの全ての算数で実施している習熟度別学習の成功が挙げられる。習熟度別学習は平成14年度から実施していたが、天谷國雄校長は、14年度との違いを次のように語る。
 「校内の研究会を繰り返すなかで、教材に具体物や視聴覚教材を利用したり、他の先生のよい点を自分の授業に取り入れたりするなど、先生方の指導方法に工夫が見られるようになりました。また調査結果を背景として、研究会にも積極的な姿勢で参加することで、講師の先生とより深い関わりがもてたことも、とてもプラスになったと思います」
 主幹の佐々木浩志先生は、「習熟度別という取り組み自体は14年度と同じでも、客観的な調査結果によって、子どもたちの弱いところを意識して授業プランを考えたり、繰り返し学習を取り入れたりできるようになったのが大きな変化です」と分析している。
 教員の指導力向上とともに、子どもたちも、より積極的に授業に参加するようになった。
 子どもたちに行った習熟度別学習のアンケート(図2)では、9割の子どもが習熟度別学習を「楽しかった」と答えている。個に応じた指導で、苦手な子は「わかる・できる」が実感でき、得意な子はさらに次のステップに進めることで「やる気」が出たことが、アンケートの回答から伺える。
図2
■図2 「習熟度別学習」に対する生徒のアンケート結果


PAGE 4/56 前ページ次ページ
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse