ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
川崎祐弘校長
川嵜祐弘校長

東京都荒川区立
尾久八幡(おぐはちまん)中学校
〒116-0011
東京都荒川区西尾久3-13-1
TEL/03-3893-7776 FAX/03-3810-9726
http://www.aen.arakawa.tokyo.jp/
OGUHACHIMAN-J/

校長/川嵜祐弘先生 生徒数/370名 学級数/12学級

東京都の北東にある荒川区の北西に位置し、校舎のすぐ横を隅田川が流れる。学区域は、中小の商工業地区となっており、自営業とサラリーマン家庭の混在する下町である。1963(昭和38)年創立で、2003(平成15)年には40周年を迎えた。部活動が盛んで、玄関や校長室には数々のトロフィーが立ち並ぶ。平成15年度から、文部科学省より学力向上フロンティア事業の指定を受け、また16年度は荒川区の英語教育先行実施校の指定を受けるなど、さまざまな学習活動を展開中。

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テーマ1 荒川区の学力向上の取り組み(事例校(2))
部活動で育まれた遂行力を学力向上につなげる
 教師と生徒、生徒同士の心のふれあいを大切にし、「文武両道」の生き生きとした学校づくりを目指している尾久八幡中学校。部活動の活性化によって生徒と教師の信頼関係と生徒のモチベーションを生み出し、みごとに学力向上につなげていった尾久八幡中学校の取り組みを紹介する。


部活動の活性化で生徒のモチベーションを高める
 6年前にさかのぼる平成11年当時、尾久八幡中学校に赴任した川嵜祐弘校長が最初に手がけたのが部活動の活性化だった。
 「エネルギーを持て余している生徒たちには、何か打ち込めるものが必要だと考えたのです」(川嵜校長)
 しかし当時は、少子化に伴い教職員数が減少しており、指導者不足のために部活動運営が思うようにできない状況にあった。そこで、指導者を確保するため複数顧問制や区の予算を活用した外部指導員制を導入したり、PTAや地域に働きかけるなどして活動ができる状況を整え、各種の大会にも積極的に参加できるようにした。
 生徒たちは大会に出る喜びや集団で活動する喜びを知って、次第に熱心に活動するようになった。部活動を通して、先生と生徒の信頼関係も生まれた。そして、大会での輝かしい成績とともに、生徒たちは目標に向かうチャレンジ精神や集中力、忍耐力を身につけていったのである。川嵜校長の赴任時は約55%だった部活の加入率は、平成12年度以降、98%を維持するようになった。
 こうした環境が整ったところで、学力向上に向けての取り組みが始まった。


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