ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
佐藤義則校長
佐藤義則校長

埼玉県さいたま市立
片柳中学校
〒337-0033
埼玉県さいたま市見沼区大字御蔵551
TEL/048-683-3173 FAX/048-683-8963
http://katayanagi-j.saitama-city.ed.jp/
校長/佐藤義則先生 生徒数/412名 学級数/11学級

さいたま市は2001年5月に大宮・浦和・与野の三市が合併してできた県庁所在地。見沼区はさいたま市の北東部に位置し、9区の中ではもっとも面積が広い。片柳中学校は2つの小学校から412名が通う。学校周辺は住宅地と田園地帯が広がり、のどかな自然が豊かに残っている。部活動が盛んで、とくに剣道部は関東大会に出場するなど数多くの実績を残している。
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テーマ2 学力調査を活用した指導改善(3)
全教科統一の方針「ドリームプラン」で
授業改善に取り組む
 モジュール授業、習熟度別授業など、教科を限定して学力向上のための多様な取り組みをしている片柳中学校。今まで以上にトータルの学力を上げることにも力を注ぐべきと考え、「わかる授業」を目指し、全教科で共通に取り組んだ授業改善について紹介する。


モジュール授業と習熟度別授業で分かる授業を
 片柳中学校は、2002年から「文部科学省学力向上フロンティアスクール」の指定を受けた。「わかる、できる、がんばる、伸びる」をキャッチフレーズに掲げ、個に応じた指導、個を伸ばすための指導方法を研究し、さまざまな実践を積み重ねてきている。その主な取り組みが、モジュール授業習熟度別授業だ。
 片柳中学校のモジュール授業は、1年生の4月~10月に、数学と英語の授業で実践している。
 1年生の英語と数学はそれぞれ週3コマずつあるが、このうちの2コマ分を25分に分け、英語と数学で合計50分授業になるように設計した。毎日英語と数学に短時間でも触れる状態を作り、学習効果を上げようというねらいだ。先生の配置にも工夫がある。2クラスをセットにし、月曜日の3時間目は前半25分で1組が数学、2組が英語を行い、後半は先生が入れ替わって1組が英語、2組が数学を行うという具合だ。月曜日から木曜日までの合計4コマ分は25分ずつの授業を行い、金曜日のみ、数学・英語とも50分ずつの授業になる。モジュール授業は10月で終了し、11月からは通常の50分授業に戻る。1年生の前半で基礎的な内容を押さえ、1年生の後半からは深く考えさせる授業内容に移っていくからだ。学校課題研究主任であり、数学を担当する斎藤芳子先生は、
 「導入1年目の02年度は、生徒たちに『忙しかった』という気持ちが強かったようです。そこで03年度からは一回の授業の中での学習のねらいを1つに絞り、25分を有効に使うことを目指しました。生徒からも『覚えやすい』『よくわかる』という声が多く出てきました」と振り返る。
 習熟度別授業については、片柳中学校では2年生の数学で取り入れている。1クラスを、基礎基本のコースと、発展的な内容を学習するコースの2つに分ける。02年度は、各単元の終わりに習熟度別授業を行っていたが、03年度からは「わかりづらい生徒が出てきたのではないか」と感じたタイミングで、柔軟に習熟度別授業へと切り替えるようにした。これができるのは、数学では2年生で全クラス、全授業でTTが行われているからだ。各単元平均して5~6時間を習熟度別授業にあてている。
写真1
■写真1 授業風景
積極的に手を挙げ、授業に参加している生徒たち


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