ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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基礎学習カードを家庭との交流に活用
 いくら学校が学力向上のために努力していても、保護者の協力なくしては成り立たない。「家庭にどう投げかけていったらいいか」を課題に感じた川上校長は、平成16年度からA3判3つ折の「家庭学習のすすめ」というパンフレットを作成し、全家庭に配付した。ここには、「教育の基盤は家庭である。学力向上の施策をさらに進めるために、家庭と地域社会、学校が教育の役割を分担し、その機能を果たしてこそ、充実できる」という川上校長のメッセージが書かれている。さらに、家庭での学習時間の目安や、読書・漢字・計算・心づくり・健康といった項目について、家庭での学習のポイントや生活習慣のアドバイスも示されている。保護者からよく寄せられる質問はQ&Aとしてまとめ、わからないことがあれば担任が個別に対応している。
 また、夏休み前に三者面談を行い、夏休みの過ごし方について家庭と話し合っている。ここで使われるのが「基礎学習カード」(図2写真1)だ。
写真1
■写真1 基礎学習カード

表紙には各クラスの集合写真が載っている。カードのタイトルも各学年で自主的に決めるので、それぞれ違った個性が光る

図2
■図2 基礎学習カード
夏休み前には、6月までの計算マスターカード(左上)、漢字マスターカード(右上)の進級状況を記入し、生活面も自己評価する(左下)
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弘道小学校では2学期制を実施しているため、前期の通知表が渡されるのは10月。その間の学習状況を保護者に知らせるために、また、夏休みを視野に入れた学習指導を行うために、この「基礎学習カード」を補助簿的に使っている。
 基礎学習カードは、6月、10月、12月、3月の年4回保護者に渡される。毎日15分ずつ朝学習の時間で行っているミニテストの「漢字マスターカード」「計算マスターカード」の進級状況や生活面での自己評価、さらに水泳や読書などの記録や目標を子ども自身が記入するよう欄が設けられている。
 「結果を知らせるだけが基礎学習カードのねらいではないんです。先生と保護者、子どもが共に話し合い、目標を決めてどう生活をしていったらいいかを意識づけるためのものでもあり、学習や生活の情報をもとに家庭と交流するためのものでもあるんです」(川上校長)


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