ベネッセ教育総合研究所
Case Study 学力調査を生かした実践事例
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課題解決学習で子どもの学びを深める
 大浦小学校の課題解決学習では、3段階に分けて子どもたちを支援していく。
支援1
 授業導入時の課題をつかむ段階で、素材の提示方法の工夫や既習内容との違いを明確にする。あるいは、子どもたちの驚きや学習意識を喚起するような資料等の提示をすることなどを通して、課題を子どものものとする。
支援2
 課題に対して各自が考えをもったあと、子どもたちがそれらを出し合う。このあと、それぞれの考えの共通点や相違点に目を向ける発問をしたり、1つの考えに安定している状態を揺さぶる資料提示や発問をしたりする。子どもたちの考えが深まることをねらったものである。
支援3
 既習内容を活用しながら課題を解決していく。

 大浦小学校では先生全員が、このステップを取り入れながら授業を進めていき、研究授業でも課題設定や支援のあり方について議論が活発に行われている。(図3・図4)

図3
■図3 課題解決学習のフローチャート
図4
■図4 指導案(3年生算数)

指導案の中に支援1、支援2で行うことが書かれている

 「研究授業では、支援1は有効だったか、子どもたちの考えを深め合うような支援ができていたのかなど、いろいろ議論しますが、やはり話し合いの視点がそろってくると、改善の手立ても明確になります。互いに感想を述べ合うだけで終わりだとあまり意味がありませんが、3年目になって、学校全体として取り組む視点がはっきりしてきたと思います」(寺井先生)
 課題解決学習を進めるには、指導面だけでなく、学習集団をどうつくるかも大切になる。これを進めていくのが「学習集団づくり担当」だ。進んで学ぶ集団になるためには、間違いが許され、安心して話せる学習集団であることと、互いの話を聞き合えることが大切と大浦小学校では考えている。また、基本的学習習慣の定着を重視し、基本的な話し方や聞き方など、全クラスが同じ方向で取り組むことが重要である。そこで、共通の学習ルールを各クラスに掲示し、担任がそのつど指導し、学級の目指す姿にも反映させている。(写真2)

写真2
■写真2 聞き合い・話し合う学習のために
聞く・話すのルールが黒板の上部に掲示されている。これは、全学年どのクラスでも共通のものが貼られている

また、「学習振り返りカード」も作成し、「チャイムが鳴ったら席についているか」などを自己評価させ、足りないところを考えさせるという取り組みも行っている。



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