ベネッセ教育総合研究所
地方自治体がひらく新しい教育
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(2) 週2時間自主学習に全生徒が取り組む
 45分授業を実施することになったもう一つのねらいは、生徒たちに学習習慣を身につけさせることだった。小川崇校長は次のように説明する。
  「本校の教師は、近年、生徒の家庭学習の習慣がますます乏しくなっていることを日々の授業などを通して感じ取っていました。事実、宿題の提出率も確実に下がっていました。宿題として生徒に与える課題は決して難しいものではなく、集中すれば10分くらいで済んでしまうようなものです。しかし、それさえも面倒に感じて取り組まない生徒が、少しずつ増えていたのです」
  こうした生徒の変化は、前述の都や区の実態調査からも客観的データとして裏づけられ、その対応が急務であることを寺島中学校の教師たちに示した。
  「調査結果からは、家庭での学習時間のほとんどは塾での学習であり、純粋な自学自習の時間は確保できていないということが読みとれました。そういった状況の生徒にこれ以上宿題を出しても、効果は期待できません。学校の授業のなかで生徒の学力を底上げしていくしかないのであれば、それにふさわしいカリキュラムを考えていこうということになったのです」(小川校長)
  そこで、寺島中学校はコマ数の増えた新しい時間割に「BS」という時間を、各学年で週に2時間新設した。「ベーシックスキル」と呼ぶこの時間は、国語、数学、英語の復習の時間であり、習熟度別の課題によるプリント学習が行われる。
  「週に2時間行われるBSは、生徒の自学自習の時間です。生徒が自分で理解できていないと思っている分野を、学校オリジナルのプリントを使ってそれぞれのペースで勉強していきます」(小島武志主幹)


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